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毎日ひとこと :一度は使ってみたくなる,使える英語の会話表現
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491  疑問詞 do you think 主語+動詞? (何/誰だと思っているんだ?)
中学3年生の文法事項に間接疑問文があります。 what time it is のような 疑問詞+主語+動詞 の節のことですが, 中学校ではふつう Do you know what time it is? のように疑問詞節はあくまで疑問詞+主語+動詞です。 
これが高校に行くと do you think と間接疑問文が組み合わさると What time do you think it is? のように 疑問詞+ do you think +主語+動詞? になることを教わります。 (進学塾の上位クラスでは中学生にこの文型を教えてしまうのが普通ですが。)


長々と学校英語の復習のようなことを書いたのは, 今回のひとことがその 疑問詞+ do you think +主語+動詞? の文型だからです。 ただこれだけで終わらせれば口語表現のコンテンツになりませんので, 一つ付け足すことにしましょう。 
それは普通の疑問文の意味以外に, 怒りとか苛立ちのニュアンスが含まれることがあることです。 
What time do you think it is? は「今何時だと思いますか」という意味の場合もあるし, 「今何時だと思っているの?(遅いから寝なさい)」という意味にもなるのです。



492  Just think (ちょっと考えてごらん。)
命令文に just を添えると「まあ,ちょっと〜してごらんなさい」「まあ試しに〜してみなさい」というように表現を和らげることができます。 もちろん think 以外の動詞に添えてもいいのですが,特に think と相性がいいようなのでここで取り上げてみることにしました。



493  When you think about it,  (考えてみればわかるでしょう。)
直訳すれば「あなたがそれについて考えるときに」 中学生でも訳せます。 どこがわざわざ取り上げる表現なんだろう― と思われるでしょう。 それでは次の文はどう訳しますか。
When you think about it, alcohol and other drugs can rob you of everything.
「あなたがそれについて考えるときにアルコールや他のドラッグはあなたからすべてを奪うことがありえる。」 どうも変です。 when 以下の従属節と alcohol 以下の主節が論理的に結びつきません。 これは
When you think about it, you may realize that alcohol and other drugs can rob you of everything.  と見て「考えてみると, アルコールや他のドラッグはあなたがらすべてを奪うことがあり得ることがわかるでしょう」と訳せばよいのです。 いわば, この When you think about it は独立不定詞とか独立分詞構文のように文の中で「独立」して文全体を修飾しているとみることができるでしょう。



494  I thought I told you to 不定詞 (〜しろと言ったと思うけど。)
子供に「戻って来るまでに片付けておきなさいね」と言ったのに帰って来たら何も手をつけずにテレビを見ている。 「電話の営業は断っています」と言ったのにまた電話をかけて来た。 そんな状況で使う表現がこれ。 I thought などという理性的な言葉を添えることでかえって相手への批判や怒りの気持ちが増すような感じがします。 特に例1のように冷静を装った口調で言うと効果がありそうです。 なおtold 以外の動詞でもかまいません。 たとえば I thought I asked you to 〜 にすれば「〜してくださいと頼んだと思うけど」となります。



495  What was I thinking? (何考えてたんだろう。)
うっかり変なことを口走ったり, ばかなミスをしたりしたときに自責の念を込めて言う一言。
日本語と同じ発想ですから使いやすいでしょう。 なおこのあとに of を付けて What was I thinking of?  とすることもありますが, of がない方が多いようです。 



496  There is this 〜 (〜がある)
学校文法では There is 構文は主語が不特定のものが来て the とか my などで限定された(特定された)語が主語になってはいけないと教わります。 つまり There is a book on the desk. は正しいが There is the book on the desk. は誤りということです。


しかし口語では There is の主語に限定語がつくことが珍しくありません。 今回の表現もそれなのですが, この場合 there is 構文とは別に this の口語の意味を考察しなくてはいけません。 それは this +名詞 が「この〜」という意味ではなく単に a +名詞 「1人の/1つの〜」の意味になることです。 つまり There is this 〜 は There is a 〜 と同じということです。
There is a 〜 と違い, 話者の頭の中にその人物なり物が浮かんでいて, それを相手に伝えようという気持ちが出て, 聞き手には〜の部分が身近なものとして感じられる効果があるようです。 


There is this 〜 に対して There is that 〜 もあります。 こちらは「例の〜がある」という意味になり, よく There's that 〜 again. 「また例の〜だ」の形でよく見受けられます。
例: The speaker emphasized the importance of willpower and concluded his speech, saying (there's that word again) 'we can do it.'  弁士は意志の重要性を強調し演説を(また例の言葉だ)「我々はできるのだ」と言って終わらせた。



497  Thumbs up. (上出来だ。;満足だ。)
写真1のように親指を立てるのが Thumbs up. 写真2のように親指を下に向けるのが Thumbs down. で前者は満足・同意の合図で後者は不満・不同意の合図であるのは日本でも一般的に知られるようになりました。

thumb は片方の手の親指ですから Thumbs up. とすれば本来両手の親指を立てるべきですが現実には片手の親指のみを上げても Thumbs up. としてしまうことが多いようです。 一方, Thumb's up. とアポストロフィSをつけて Thumb is up. のつもりで表記する人や Thumb up と単数形にする人もいます。


逆に両手の親指を両方とも立てることを強調して Two thumbs up. とすることがあります。 こうすると満足度はさらに高まるようです。 
また満足度を高めるために Thumbs up, way up. (親指を立てて, 高く) と言う人もいます。
なお例文2のように I give 〜 the(two) thumbs up とすると「〜を承認する」という意味の熟語になります。


ところでこのジェスチャーは古代ローマ時代に遡るとする説があります。 
見世物として闘技場で戦わされた剣闘士(gladiator=見世物として戦うために確保された捕虜や奴隷)の中で負けた者を生かすか殺すかの判定をする際に, 観客が生かすと判定するなら親指を立て, 殺すと判定するなら下に向けるというのがこのジェスチャのいわれだとする説です。


これに対してカンザス大学のコーベイル準教授はローマや南フランスなどで調査した結果,写真3のように親指をげんこつの人差し指につけるのが, 古代ローマの闘技場での剣闘士を生かすときのジェスチャであったという新説を唱えました。


そして親指を立てるのは紀元前1世紀から20世紀に至るまで古代ローマの地, イタリアでは敵意の合図であったと述べています。


現在の Thumbs up のジェスチャは第2次世界大戦後アメリカ兵がもたらしたもので, これが古代ローマの剣闘士の話と混同したのだと言うことです。
詳しいことはカンザス大学のホームページに掲載されていますので興味のある方は英語の勉強を兼ねて読んでみるといいでしょう。



498  About time. (やれやれ,やっとだ。)
遅れていた事がようやく起きたときに発する言葉。 次のようにバリエーションがありますがどれも about time が核になっています。
  • It's about time.
  • And about time.
  • And it's about time.
  • About time, too.
  • It's about time, too.
  • And about time, too
  • And it's about time, too.
About time は高校で勉強する It's about time +仮定法過去(つまり 主語+過去形)でおなじみですが, こちらは「もうそろそろ〜する時間だ」という意味であると学んだはずです。 事実, この意味で使うのが多いのですが, 「やっと〜した」という今回の表現の意味で使う例もあります。 どちらの意味なのかは文脈によります。
例: A man said impatiently: "It's about time the bus came." And when he saw the bus coming, he said with a sigh; "it's about time it came along." 男が我慢できずに言った。 「そろそろバスが来ていい時間だ。」 そしてバスが来るのを見るとため息をついて言った。 「やっとバスが来た。」



499  Long time no see. (久しぶり。)
中国語の「好久不見(hao jiu bu jian)」を英語に直訳したピジン英語(商取引のために英語と他の言語が混合してできた人工的な英語)。 親しい者同士の間で使うくだけた表現で改まった場合は, I have't see you for a long time. とか It's been a long time since I saw you last. とか It's good to see you again. などを使う方がよいとされています。




500  All in good time. (そのうちに;いずれ時が来れば)
副詞句ですが動詞を伴なうというより, このまま単独で使う方がふつうです。  つまり動詞にあたる部分は文脈で推測するということです。


たとえば朝のある家庭の風景―ドン,ドン,ドン(トイレのドアをたたく音)。 「お父さん, 早くしてよ, 遅刻しちゃう。」という娘にお父さんが All in good time! と言えば「そのうち終わるよ。」という意味になるし, 「お父さん, トイレで読んでるそのマンガ返してよ。」という息子に All in good time ! と言えば「そのうち返すよ。」となるでしょう。


「そのうちに」なら soon とか before long とか sometime in the future などの副詞がありますが All in good time を使うと「このままの状態にしておきたいから急かさないで我慢しなさい」というニュアンスが出るようです。 いわば命令文 Be patient. 「我慢しなさい」とほぼ同じになるわけです。
 

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