ぶらりボキャブラ散歩 今日の 気まぐれ英語慣用句 |
||
---|---|---|
英語慣用句アルファベット順索引 アーカイブス(単語) アーカイブス(慣用句) 音声ファイルがいっぱい! ひとことENGLISH 英語以外の外国語引用索引(主に単語) 英語以外の外国語引用索引(主に慣用句) サイト内検索 |
||
. | ||
z117 (10月7日) 動物を使う慣用句(16) a wild-goose chase 「無駄な追求, 当てのない捜査」 直訳: 雁の追跡 例文: He led me on a wild-goose chase. I went to several bookshops for a book he'd told me to buy, but it turned out he'd given me the wrong title. 彼は私に無駄足をさせた。 彼が買うように言った本を求めていくつか本屋に行ったが, 彼が間違ったタイトルを教えたことがわかった。 「無駄な追求をしている」なら be on a wild-goose chase 「〜に無駄な追求をさせる」なら lead (send, keep) 〜 on a wild-goose chase 。 wild-goose chase は自由に走りまわる馬のあとを他の馬が追いかけるというイギリスで16世紀に生まれた競馬の種目のこと。 この姿がリーダのあとを追って集団で飛ぶ雁の群れを連想することから wild-goose chase と名付けられました。 のちに「気まぐれに進む人の後をついて行くこと」という比喩的な意味を持つようになりました。 シェークスピアの『ロミオとジュリエット』の第2幕第4場, ヴェローナの街角でロメオと親友のマキューシオが駄洒落で丁丁発止やりあう場面で wild-goose chase が出てきてますが, ここではこの比喩的な意味で使われています。 この部分の訳を小田島雄志氏(白水社・白水Uブックス)と松岡和子氏(ちくま文庫)で見てみますと原文を踏まえながら日本語でシャレになるよう訳されていることがわかります。 私なりの下線部の直訳は「もしお前の頓知が気まぐれな先頭の後を追う雁の群れのようにトリ留めなく続くとしたら俺は降参だ」。 (トリでシャレになってはいるのです。) Mercutio: Nay, if thy wits run the wild-goose chase, I have done; for thou hast more of the wild-goose in one of thy wits than, I am sure, I have in my whole five: was I with you there for the goose? マキューシオ: いやあ, まいった, だじゃれくらべじゃおまえのいい鴨だ。 それでいいかもしれん, とくりゃ, おれの駄洒落もおまえに並ばんかな。 (小田島雄志訳) いや, 駄洒落合戦はもう止めだ。 お前のいい鴨になるのが落ちだ。 しかもお前の頭の中は何もかも, あたかも酒盛り状態だ。 どうだ鴨に関しては俺が一枚上手だろう? (松岡和子訳) Romeo: Thou wast never with me for anything when thou wast not there for the goose. ロメオ: 南蛮になりたけりゃ, 葱しょって来い, ねぎらってやるぞ。 (小田島雄志訳) カモだろうかカモメだろうが, 二枚は上手だ。 お前三枚目だからな。(松岡和子訳) やがて時代が下り, 現在の「いつまで追いかけても終わらない無駄な追求, 捜査」という意味になりました。 |