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ぶらりボキャブラ散歩
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z110 (09月29日) 動物を使う慣用句(8)


as the crow flies 「直線距離にして」


直訳: カラスが飛ぶように
例文: Karasuyama is  only one kilometer away, as the crow flies,  from here but about three kilometers by this mountain road.
烏山はここから直線距離にして1キロのところにあるがこの山道を行くと行程は3キロある。


慣用句を使わなければ in a straight line とか by the shortest route と表すことになるでしょう。 これは朝になるとカラスが塒からエサ場へまっすぐ飛んで来る習性から生まれた慣用句と言われています。 





英語と似たような表現の慣用句は調べた限りではデンマーク語の i fugleflugtslinie 「鳥の飛行経路で」 程度しかありません。 (例: Der er cirka 500 meter i fugleflugtslinie derop. そこまで直線にして約500メートルある)   同じ言い回しをドイツ語にした in der Vogelfluglinie はオンラインのドイツ語・英語辞典にはありますが用例は1つか2つしか見つからず実際に使われているのか不明です。 
なを偶然, ドイツとデンマークを結ぶ道路や船や鉄道のルートはドイツ語で Vogelfuglinie と呼ばれているようです。 イメージ検索





ついでに crow の語源も調べてみました。
ルーツをたどれば印欧祖語で cor でこれは鳴き声が起源らしく, ラテン語の corvus (これはカラスの属名でもある), イタリア語・ボルトガル語の corvo,  フランス語の corbeau,  スペイン語の cuervo,  古高ドイツ語 hravan 現代ドイツ語 Krähe,  オランダ語 kraai , デンマーク語 krage,  スウェーデン語 kråka,  アイスランド語 hrafn など結びつきます。


ところでラテン語 corvus の語源についてはもう一つおもしろい説があります。 それはサンスクリット語の「黒い」を意味する kalas または karas から来ているという説です。 (kalas (karas) をそのまま発音すれば偶然日本語の「カラス」と同じです!
ジプシーの言葉ロマニー語ではカラスを kaló というようですが, corvus = kalas 語源説の裏と合わせると興味深いと思います。 さらにロマニー語のカラスがインドの古典語サンスクリット語と通じているということはジプシーがインドから来たことを伺わせる証拠にもなり得るでしょう。 (ジプシーについては弊コンテンツ・きまぐれ英単語『フラメンコ』の項で触れています。)