ぶらりボキャブラ散歩 今日の 気まぐれ英語慣用句 |
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z104 (09月21日) 動物を使う慣用句(2) lead a dog's life 「惨めな暮らしを送る」 直訳: 犬の人生を送る 例文: She puts on the dog everywhere she goes but actually he leads a dog's life. 彼女は行くところではどこでもめかし込んで金がありそうに振舞うが実際は悲惨で不幸な暮らしをしているんだ。 (put on the dog = めかしこむ, 金がありそうな(偉そうな,上品そうな)ふりをする) ペットとして家族同様に暮らしている気楽な身分の犬の生活を見ると, dog's life が「惨めで不幸な一生」を意味するとは思えません。 しかし, 幸せに暮らしている犬(猫)がいる一方で, 動物愛護センターで殺されたり, 実験動物となって目に薬品を注がれたり体に電流を流されたりして死んでいく犬(猫)は今も後を絶ちません。 さらにこの慣用句ができた17世紀の場合, 犬の多くは人々の残飯をあさり, 家の軒下で雨風をしのぎ, 怪我をして病気になって野垂れ死にする野良犬でした。 このような犬たちにとってやはりこの世に生を授かったことは惨めで不幸なことだったにちがいありません。 犬がしばしば惨めで蔑まれる存在と見られていたことは, 世界中の言語の「犬」を使う表現を見ればわかります。 例えば日本語の「犬畜生」は韓国語の「ケーセッキ」(=犬の子供)や英語の Son of a bitch! (=雌犬の息子) やフランス語の Nom d'un chien! (=犬の名前)に通じます。 今回の英語の慣用句 lead a dog's life もそっくりそのまま他のヨーロッパの言語で見つかります。 フランス語 mener une vie de chien 犬の生活を送る イタリア語 fare una vita da cani 犬の生活をする ドイツ語 ein Hundeleben haben 犬の生活を持つ オランダ語 een hondeleven hebben 犬の生活を持つ デンマーク語 leve et hundeliv 犬の生活を送る ゲルマン諸語のドイツ語, オランダ語, デンマーク語はそれぞれ1語になっていますがもとは「犬」にあたる語に所有を表す格変化の名残の -e が付き, 「暮らし」にあたる語と複合名詞を作っていて, 完全に英語の dog's life に対応しています。 |