英語慣用句アルファベット順索引 アーカイブス(単語) アーカイブス(慣用句) 音声ファイルがいっぱい! ひとことENGLISH 英語以外の外国語引用索引(主に単語) 英語以外の外国語引用索引(主に慣用句) サイト内検索 |
||||
---|---|---|---|---|
. | ||||
z083 (08月16日) 食品を使う慣用句(5) pie in the sky 「当てにならない将来の楽しみ」 直訳: 空のパイ 例文: The day may come when a pension becomes a pie in the sky. 年金が当てにならない将来の楽しみになる日が来るかもしれない。 手に入ると言いながら実際には手に入らないもの― それが pie in the sky 。 これは, 20世紀初頭のアメリカの労働運動から生まれたという, 慣用句としては珍しい起源を持っています。 1905年,ロシアでは第1次革命(血の日曜日事件)が起き, フランスでは統一社会党が結成され, アメリカでは社会主義運動家のビル・ヘイウッドらによって世界産業労働者同盟(IWW = Industrial Workers of the World)が結成されました。 IWW は階級闘争が台頭し始めた時代を背景に世界中の労働者が団結し雇用者に抵抗することを目的にし, 当時の貧しいヨーロッパの移民らが主なメンバーでした。 (彼らは組織のニックネーム Wobbly から Wobblier と呼ばれました。) IWW の運動の特徴の一つは歌を歌って仲間の団結を図り, 世間に主義主張を伝えて行くことでした。 ただしメロディは聖歌や民謡を使い, 歌詞のみが創作されていました。 このうな歌詞は Little Red Book という歌集に収められ Wobblier たちはこれを手に集会や街頭で歌いました。 その歌の一つ Joe Hill が作詞した The Preacher And the Slave 『説教師と奴隷』 に使われていた pie in the sky が後に慣用句になったのです。 元歌は救世軍(Salvation Army=軍隊形式を取るキリスト教の社会福祉団体。)の聖歌の In the Sweet Bye Bye 。 救世軍はクリスマスに街角で演奏し寄付金を募ったり大鍋で煮た料理を貧民に配ったりして, 彼らなりに社会救済をしていたのですが, Wobblier らには目の敵にされていました。 現世で苦しい目にあっているなら来世で救われるように祈りなさいという考えが, その日の糧もままならない貧しい労働者には戯言として聞こえなかったのです。 それで救世軍の聖歌の In the Sweet Bye Bye をパロディにした替え歌を作って, 彼らへの反抗を示したというわけです。 それではここで元歌の In the Sweet Bye Bye と替え歌の The Preacher And the Slave の一番を並べてみましょう。 The Preacher And the Slave の最後に pie in the sky が見えます。
|