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z073 (08月06日) salt 「塩」を使う慣用句(2) worth one's salt 「給料に見合うだけの働きのある;非常に価値がある」 直訳: 塩の価値がある 例文: I'm afraid we may have few politicians worth their salt. 残念ながら給料に見合う働きをしている政治家は少ないようです。 Do you think this textbook is worth its salt? このテキストそれなりの価値があると思いますか。 給料(salary) の語源がラテン語の塩(sal) から派生した salarium であるというのは比較的知られています。 この慣用句も salt を salary に置きかえれば意味は明白になるでしょう。 しかし検索して実際の用法を見ると人間だけではなく, 物の価値について使うことも多いようです。 他の言語では塩を使って同様の慣用句を作るのは見当たりません。 ただデンマーク語には være sin løn værd 「給料分の価値がある」 という慣用表現があり, Er du din løn værd? 「君って給料分の働きしているの?」などと使っているようです。 さて, 前述の salary の語源になったローマ時代の給料(salarium )について若干調べたことを記しておきます。 まずこの salarium という言葉が使われるようになるのはオクタヴィアヌス(アウグストゥス)が皇帝になってから(紀元前27年)以降のことで, 属州の統治者や軍司令官などへの金銭を含む生活に必要な支給品のことを意味していたようです。 英和辞典には salary の語源は「兵士の塩代」を意味する salarium からとなっていることがありますが, 実際は兵士に塩が給料として与えられたのではないようです。 塩と同じくらい貴重なものという意味で salarium が使われていたのでしょう。 またアウグストゥスの改革によってローマ帝国で硬貨が使われるようになり, アウレウス金貨 =デナリウス銀貨25枚分 =セステルス硬貨100枚分 =アース銅貨400枚 という貨幣制度ができました。 アウグストゥスの時代の私兵一人の一年間の給料は225デナリウスで, 百人隊長の場合は 3,750デナリウスだったそうです。 アース銅貨1枚でパンが買えアース銅貨2枚でまともな食事ができたそうです。 カラカラ帝(紀元後211-217年)の私兵の年棒は750デナリウス, 百人隊長は12,500に値上がりしています。 そして100年後の301年の物価です。
参考サイト: 古代ローマ時代の度量衡 Wikipedia (記述英語) 昔の貨幣価値 current value of old money (記述英語) |