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069 (般) clove 「クローブ,ちょうじ」「ニンニクなどの一かけ」 前回, このページでヨーロッパの諸言語ではカーネーションと香料のクローブを混同していることに触れました。 今回はその続きです。 英語の clove の語源は古フランス語の clou de girofle の clou の部分で, これはラテン語の「クギ」を意味する clavus から来ています。 クローブの実の写真をイメージ検索で見ればなるほど「クギ」の形をしています。 古フランス語の clou de girofle の girofle は前回のカーネーションの項で触れた古い英語のカーネーションを意味する gillyflower の語源です。 そしてこれらはギリシャ語の「クローブ」を意味する karyofyllon にたどりつきます。 つまり clou de girofle は「クローブのクギ」ということで「クローブの実」を意味し, 英語はこの古フランス語の単語の「実」の部分だけをとって clove としているわけです。 さてここで前回のカーネーションの語源からヨーロッパ諸語を分類した表をもう一度見てみましょう。
これで2番目の「クギ, 鋲, リペット」とカーネーションがなぜ結びつくのかおわかりになると思います。 ドイツ語やスペイン語などはカーネーションを「クローブの実のクギの形」から命名しているのです。 つまり「カーネーション」=「クローブの実」という不思議な関係になっているのですが, これはカーネーションの匂いがクローブの実の匂いと似ていることから来ているのでしょう。 英語では, 上述のようにクローブのもとをたどればカーネーションと結びつきますが, 表面上はカーネーションとクローブは別の語源の語を使っているので混乱はありません。 また両方の言葉を英語から借用し, さらにクローブなどという香辛料を使う機会の少ない日本人には, この二つが混同することはまずありません。 しかし, 他言語ではこれらが複雑に交錯しているのです。 ここで上の表を, クローブをどういうのかを付け足して書き換えてみましょう。 *フォントがないため正しい表記ではないことを示す。
さて英語の clove にはもう一つ「ニンニクなど小鱗茎(しょうりんけい)のひとかけ」の意味もあります。 英語で書かれたレシピを読んでいると a clove of garlic という語句が出てくることがありますが, 「ニンニクのクローブって何?」などと思わないでください。 こちらの clove は香料の clove とは無関係で語源は「(切り)裂く, (切り)割る」を意味する動詞 cleave と同じゲルマン祖語の klubo です。 |
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