毎日ひとこと :一度は使ってみたくなる,使える英語の会話表現 |
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391 from the sublime to the 〜(ピンからキリまで) 日本語の「ピンからキリまで」の語源はポルトガル語であるというのは雑学集によく出ていることです(詳しくはここをクリックして適当なサイトを訪れてください)。 英語のこれにあたる英語の表現として和英辞典には There are all sorts of 〜 「あらゆる種類の〜がある」と出ていますが, 今回の表現を使うと「ピンからキリまで」がおもしろく表すことができると思います。 表題の〜の部分には本来 ridiculous が入り from the sublime to the ridiculous 「崇高なものから滑稽なものまで」と言う長ったらしい表現となります。 (発音はフロム・ザ・サブライム・トゥ・ザ・リディキュラス) これを文字って〜の部分に意図的に別の形容詞入れることもあるようです。 インターネットで拾った例: from the sublime to the sick (卓越したものからキモいものまで) from the sublime to the banal (卓越したものからチンプなものまで) from the sublime to the obscene (卓越したものからヒワイなものまで) from the sublime to the ordinary (卓越したものからフツーのものまで) from teh sublime to the absurd (卓越したものからバカバカしいものまで) from the sublime to the unspeakable (卓越したものからお話にならないものまで) from the sublime to the less sublime (卓越したものからちょっと劣ったものまで) 名詞を入れるとおどけたパロディ的のものになります。 from the sublime to the Internet (卓越したものからインターネットまで) from the sublime to the subliminal messages (卓越したものからサブリミナル・メッセージまで) from the sublime to the oppoite of the sublime (卓越したものからその反対のものまで) これらは下の例のように range や go といった動詞とともに使うのが一般的です。 例1: The school rules ranges from the sublime to the ridiculous. For example, students shall respect their superiors. Students are not allowed to get pizza or other food products and beverages delivered. その学校の校則は高尚なものから滑稽なものまでピンキリだ。 例えば学生は目上の人を敬えとか, 学生はピザや他の食べ物飲み物をデリバリーサービスを使って注文してはならないとか。 例2: There are a variety of homepages on the Web, going from the sublime to the sick. ウエッブ上にはいろいろなホームページがある。 高尚なものから吐き気を催すものまで。 392 such as it is (つまらないものですが。。;名ばかりのもののくせに) 「つまらないものですがどうぞお納めください」は「何もないですが召し上がってください」と並んで日英比較文化論なんていうのになるとよく引き合いに出された表現です。 「日本人は『何もないですが召し上がってください』(直訳: Help yourself to them though we have nothing.) などと言うが非論理的で変である。 それに比べて英語は。。」という具合に日本的なものを否とする論調で話が展開したもので, テレビ・ドラマはアメリカ製, 聞く音楽は英米ポップス, 学校給食はパンとミルクという世代に多い発想でした。 今は, さすがにこのようなことを言い出す人は減っているようでよいことだと思います。 (いや, 今の日本人の中に「つまらないものですが。。」に代表される謙譲の精神そのものがなくなりつつあるから問題にならないのかも?) さて今回の表題, 挿入句的に使って, 「つまらないものだが; たいしたことのないものだが; 名ばかりのものだが」という具合のいわば謙譲の心が表れた表現で, 平均的日本人ならわかりやすいでしょう。 ただ日本語と違い, 自分のもの以外にも使えます。 こうなると謙譲ではなく「名ばかりのもののくせに」というように相手を非難することになることに注意してください。 なお複数のものに対して使うなら such as they are にします。 ところで文頭に書いた贈り物に対してこの表現が使えるか gift as it is で検索したところ 25件, present as it is でもほぼ同数ヒットしました。 (present の場合「贈り物」以外の意味で使う文も含まれるのでそれを差し引いて考えました) これらには日本人が書いたホームページではないようなので, アチラの人(何人だか不明ですが)にも「つまらない物ですが。。」の精神は通じるようです。 ただヒット件数の少なさから考えて一般的とは言いきれません。 例1: Please bookmark this site, such as it is. どうぞこのサイトをお気に入り(ブックマーク)に入れて下さい。 たいしたものではありませんが。 [例文というよりホンネです] 例2: I'd like to tell you about my thoughts and hopes, such as they are. くだらないですが私の考えや希望を伝えたいと思います。 例3: The Chief Cabinet Secretary announced several local financial reform programs, such as they are. 官房長は名ばかりの地方財政改革案を発表した。 393 It sucks.(くだらねえ, 気にいらねえ, つまんねえ, サイテー, 嫌だ, 不快だ) 主にアメリカで使われている話し言葉。 無礼な表現で拒絶反応が出るようなマイナス・イメージの概念全般を表し, 日本語訳はいろいろ考えられます。 Great の逆と見ればいいのではないでしょうか。 主語は物でも人間でもなんでもOK。 手元にある, 発売当時日本最大の英和辞書(約3,000ページ2巻)であった『小学館ランダムハウス英和大辞典』(1977年版)には掲載されていません。 またロングマン英英辞典でも第2版1989年改訂版にはなく, 第2版1995年版に初めて掲載されています。 このことからおそらく90年代になってから一般的に認知された新語だと思われます。 「吸う, しゃぶる」の意味の suck がどうしてこのような意味になるのかわかりませんが, 性行為を暗示する語であるし s を f に換えればズバリ4文字言葉になるので, この辺がからんでいるのかなと推測しています。 394 Suck it up.(うるさいな, ぐだぐだ言わないで行動しろ。) これは普通の辞書に載っていない米国の俗語です。 もともと軍関係で使われていたようで「ぐだぐだ理屈こね回したり, 文句をたれずに, やるべきことをやれ」というように上から下へ問答無用に命令する, 体育会系の臭いがする表現なのであります。 Shut up と違いただ「黙れ」ではなく何かしらの行動を起こせと命じることに重点が置かれるようです。 例えば嫌いな食材が入った食事を出され「こんなの食べたくない」とごねる子供に Shut up. と言えば「うるさい!」と癇癪を起こしただけになり, Suck it up. と言えば「黙って食べなさい」というように食べることに重点が置かれることになります。 またゴミ処理場建設に反対して道路をふさいでシュプレヒコールを上げている住民に対して Suck it up! と言えば「黙って道路を開けなさい」という意味を暗示するでしょう。 395 I am a sucker for 〜 (〜に目がない, 〜に夢中な自分は変? ) sucker は「吸う人=乳飲み子」。 これが一方では「赤ん坊のように何も知らない人」→「騙されやすい人」に意味が発展し, また一方では「夢中で乳を吸っている赤ん坊」→「〜に夢中の人」に意味が発展しました。 もちろん文字通り「吸う人」の意味でも使いますが, これはXXX用語であるのは賢明な大人ならわかるはず。 さて今回の I am a sucker for (もちろん主語+be動詞の部分は I am 以外にどうにでもなります)のおもしろいところは, ただ単に「〜が好きだ」というだけではなく, 「〜が好きな自分は変?」というニュアンスがあることです。 だから「〜」には入るのはフツーなことでも構いませんが, 人があまり夢中にならない変った人・物が入る方がより効果的です。 例: 濡れたネコの鼻先, うにせん, トリスタン・ダ・クーニャ, ミスター・ビーン etc 396 Suffice (it) to say (〜するとだけ言っておこう) 「もっと言えるがとりあえずこれで十分」という意味で, より簡単に言えば I will just say となるでしょう。 suffice [サファイス]は文章語で「十分だ= be enough」。 原形を使っていますが文法的には命令文ではなく仮定法現在。 という具合に日常会話では使いそうもない表現に見えますが, 実際は想像以上に多く使われているようです。 ただやはり文語体の表現なので用例を見てわかる通り, わざと古典調の言い回しにして使うからこそ効果が出ると思われます。 例のように that 節を伴なったり, 文頭に置いて文全体にかかるようにして使います。 なお it は省略可能です。 397 May I suggest 〜 (〜はどうでしょうか) How about 〜? Why don't you 〜? What do you say to 〜ing? など「〜はどうか」という提案を表す表現は多いですが, これはズバリ「提案する」という動詞を使っています。 丁寧さでは上の方で, 特に相手の提案に対して, 差し出がましく聞こえないように別の提案をしたいときに使うとよいでしょう。 この後には
398 I'm not suggesting 〜 (と言っているのではない) この前に言ったことが真意でないことを伝えるときの表現。 否定の進行形で使います。 前回の suggest は「提案する」。 今回は「ほのめかす, 暗示する」の意味。 このあとには前回と同じく
主語は I でなく 例にあるように you でも可能ですが(付加)疑問の形になるのが意味から考えて自然でしょう。 399 That suits me. (それは都合がいい。 それは願ったりだ。 ) 主語は that 以外に it でもいいし, 名詞でも構いません。 ただし服が主語だと「似合う」の意味になります。 またこのあとに fine をつけることも多いようです。 下の例文5は「都合があう」というより「馬があう」という感じの suit の例です。 400 Suit yourself. (どうぞご自由に, どうぞご勝手に, したければやればいいでしょ。 ) 本当はしてもらいたくないこと, されると迷惑なこと, 不適切なことなどを「どうぞしたいようにしてください」と言う表現。 多くの場合相手の発言や態度への不快感を示します。 同じ「どうぞしてください」でも積極的に「どうぞ遠慮なく」とする Go ahead. とは対照的です。 このあとに but を伴なって一言添えることもあります。 例: "I have to check these out." "Suit yourself. But I'm going to sleep." 「これらをチェックしなくては。」「どうぞご自由に。 でも私は寝ますけど。」 |