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毎日ひとこと :一度は使ってみたくなる,使える英語の会話表現
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351   stick your head in 〜 (〜に頭を突っ込む) 
前回の Go stick your head in a pig. に見られるように, stick your head in 〜 「頭を〜に突っ込む」は英語圏の人達にとってケンカの一言として使われることがあるようです。 (〜の中にはその場で思いつく言葉を入れます。)
日本語で言えば「豆腐の角に頭ぶって死んじまえ」とか, テレビ創世記のコメディ番組『てなもんや三度傘』で使われたギャグ「奥歯, 手ェ突っ込んで脳みそガタガタ言わしたるで(正確な表現ではないかもしれません)」 と言ったところでしょうか。 まあこういう言葉を使ったり使われたりする場面は経験しない方がいいでしょうけれど。



352    stick together (特に困った時に団結する) 
物が主語なら「くっつきあう」という意味です。
例:If the pages get wet, the ink will run, and the pages will stick together.  (もしページが濡れるとインクが流れてページ同士がくっついてしまう。)
人間が主語なら「いっしょにくっつきあう」ということから「互いに忠義を誓い一致団結する」という意味になります。 特に困った状況にいるときに団結する場合に使うようです。





353    be stuck (1. 身動きがとれない, 閉じ込められる) 
stick の過去分詞形 stuck は形容詞としての用法もあります。 今回から数回に分けてこの stuck を使う表現を取り上げます。
まず stick の基本的意味「突っ込んで固定する」から派生した「ある場所から出られずに身動きができない」という意味。  この後に場所を表す副詞や副詞句が続きます。 
例: Our car was stuck in traffic.  私たちの車は渋滞で身動きがとれなかった。


354   be stuck (2. 困っている, にっちもさっちも行かない) 
前回の「身動きがとれない」から「困っている」に意味が広がります。 特に身動きできない状態で困っている場合に適しているので, パソコンなどの操作したりやパズルなど解いて行き詰まった時に使うとぴったりハマリます。 
 be stuck for +名詞 の形をとると「〜が出なくて困る;〜に窮する」という意味になります。 例えば be stuck for ideas (考えが浮かばなくて困る) や be stuck for words (言葉に窮する)や be stuck for excuses (言い訳を考えて出てこない) のように。 
例1: Damn computer,  I'm stuck again.  Somebody help me out!  ちきしょうコンピュータのやつ, また困ったことになった。 だれか助けてくれ。
例2: Ask on the bulletin board if you're stuck in using my software.  私のソフトウエアを使って困ったら掲示板で質問してください。
例3: When the writer was stuck for ideas, he would steal out of the hotel and enter the nearby pachinko parlor.  その作家は考えが浮かばなくて困るとホテルをこっそり抜け出し近くのパチンコ店に入った。
例4: Infants and young children are usually stuck for words and say unexpected things, which amuses their parents. 幼児や小さな子供はよく言葉に詰まり思いがけないことを言うが, それが両親を楽しませることになる。


355   be stuck with 〜 (〜を捨てたいが捨てられない;〜との人間関係を絶ちたいが絶てない; 嫌な仕事を押し付けられている)
「嫌な人や物がくっついて離れない」というのが中心の意味で with 〜 が入れば「を捨てたいが捨てられない」 が入れば「との付き合いをやめたいがやめられない」 仕事が入れば「したくない仕事を押し付けられる」 となります。
例1: I'm stuck with Windows.  But I have too much software for Windows and I'm too used to it to become a Mac user. ウインドウズを使うのは終わりにしたいのだができない。 しかし Mac を使うにはウインドウズ用のソフトがたくさんありすぎるしウインドウズに慣れてしまっている。
例2: The family who buys a home computer only because 'everyone has one' will  be stuck with it some day like an exercise machine bought from a home shopping catalog.  「みんなが持っている」からという理由だけで家庭用コンピュータを買った家族は通販カタログで買った運動器具のようにやがてそれを持て余すことになる。
例3: I have been married for almost 8 years now and I am stuck with my husband.   He is a company man to his core; he devotes much of his life to working for the company while forgetting our family completely.  私は結婚して8年になりますが夫とは腐れ縁で結ばれています。 彼は心底会社人間で人生の多くを会社で働くことに捧げ家族のことはすっかり忘れています。
例4: He is stuck with "dusk-till-dawn" shifts and complains .  He wants to play with his friends in the evening.  彼は夜勤をしたくないのに押しつけられ不満に思っている。 彼はアフター・ファイブを友達と遊びたいのだ。
例5: Help me.  I am stuck with



356    be stuck on 〜 (〜に首っ丈だ, 好きだ)
「〜にくっついて離れない」対象が人間になればその人に「首っ丈」という意味になります。
同じ意味の別表現なら be crazy for (または about)〜 や be mad about 〜 があります。


357   be stuck in the past (人が過去を懐かしむ, 昔のことを考えるのが好きだ, 過去にとらわれている  ; 物が旧態依然だ, 古臭い)
私の知る限りでは, この表現を熟語として取り上げている辞書は見つかりませんでした。 がインターネット上では案外用例が多い, 「掘り出し物」です。 
 the past の部分は具体的な時代,  例えば  the bubble economy period (バブル時代) とか the dinosaur era(恐竜時代) など入れることができます。 


例1: Since I'm firmly stuck in the 70s, I'm willing to listen to classic rock.  私は70年代が懐かしく思うので好んで古典的なロックを聞きます。


例2: The boy is stuck in the Edo Period,  for he used to watch samurai dramas with his grandparents when he was young.  その少年は江戸時代のことを考えるのが好きだ。 というのは幼いとき祖父母とよく時代劇を見たからだ。


例3: Some are too stuck in the past, while others are too careless about it.  過去にこだわりを持ち過ぎる人も入れば無頓着過ぎる人もいる。


例4: That website is stuck in the past. Recent visitors may have noticed that some of the information is out of date and useless. あのサイトは更新しないままだ。 最近の来訪者は情報の一部が古くて役に立たないことに気付いているだろう。


例5: After the coup d'etat,  the country is being reconstructed, but the economy is stuck in the past.  クーデターのあとその国は復興しつつあるが, 経済は旧態依然としている。


例6: Many people think amateur radio is stuck in the past today when cell phones are used widely.  携帯電話が広く使われている今日アマチュア無線は古臭いと思っている人が多い。




358    stiff  (死体; 堅苦しいヤツ;  〜なやつ)
形容詞 stiff 「堅い,硬直した」が名詞になると「死体」となります。  これが生きている人に対して使われると「堅苦しくて退屈な人」となります。 さらに形容詞をともなって「〜なやつ」という意味になります。  なお「酔っ払い」「チップをケチる人」などの意味もあるようですがかなり俗語の色合いが濃くなります。 どれも軽蔑的なニュアンスがあるので面と向かって使うのは避けた方がいいと思われます。
形容詞を伴なう場合, 最も代表的なのが a lucky stiff 「運のいいヤツ」 と a working stiff 「生活するだけの金を稼ぐ普通の労働者」。  特に a working stiff については, 検索して用例を調べると  If you're a working stiff like me, という文句が次々と出てきます。 これを使った文はどれも怪しげなオイシイ話への誘いの文で, どうやらこれはこの手の業界の常套句のようです。




359    have a stiff neck  (肩がこる)
「肩がこる」を英語では have a stiff neck (凝った首を持つ)と言います。 なおこの stiff neck から生まれた be stiff-necked は「肩こりがある」ではなく「頑固で傲慢だ」という意味なので注意が必要です。


さて「秋の虫の声や紅葉を鑑賞するのは日本人だけ」と同じ「日本人にあって欧米人にないもの」という伝説の一つが「欧米人に肩こりはない」でしょう。 実際は, 欧米人にも肩こりはあるものの, その認識とそれに付随する「文化」には確かに違いがあるように思えます。


まず凝る部位の認識の違い。 日本人は「肩」がこるというのに対し英語では「首」がこるという言い方が主流であること。 単純に stiff neck と stiff shoulder の検索のヒット数を比べても
前者が71,500, 後者が5,430で13倍近くも差があることからもこれは言えます。


さらに shoulder pain とか stiff shoulder という言葉はあってもその shoulder の位置が日本語と英語では異なる場合もあること。 日本人の考える肩こりの「肩」は首の付け根から肩の関節までの間の部分であるのに対し, 英語の shoulder pain や stiff shoulder が「肩の関節部」「肩先」や「肩甲骨」を中心として部分を指す場合が多く,  しかもこれらはスポーツや事故による痛み・凝りを意味することが多いのです。


「肩こり」の治療についても文化の違いがあります。 
「肩こり」の治療として思い浮かぶのが「トクホン」とか「サロンパス」のようなビニールを剥がして薬の塗ってある面を痛む部位に貼るという湿布(compress)ですが, 英語圏では, 最近日本のドラッグ・ストアでも見かけるようになった電子レンジであたためるタイプのものでしかもそれは新しいアイデア商品の類です。
薬がすでに塗ってあるタイプは存在しないか一般に知られていないのではないかと思われます。 湿布薬(poultice)の類はありますが, これは自分でガーゼ類に塗って貼るものを意味するようです。 



360    be bored stiff (めっちゃヒマしてる)
形容詞 stiff が副詞のように使われる「えらく, 非常に」という意味になる例です。  もともと「こわばっている」なのでこれが修飾する語は表題の bored 「退屈している」 以外に scared 「怖がる」 frightened 「驚く」 frozen 「凍て付くほど寒い」 worried 「心配している」 stunned 「あっけにとられる」程度しか使いません。 特に bored と scared の使用頻度は高いようです。
例1: Help me!  I'm bored stiff.  I've had enough of playing solitaire on  computer.  助けて, どえらく退屈。 コンピュータでソリテアするのはもうたくさん。
例2: I was frozen stiff after swimming in the sea at dawn on New Year's Day.  正月の夜明けに海で泳いでひどく寒かった。



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