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英文法の質問箱
 形容詞を修飾する不定詞はなぜ受動態ではないのか
質問:
昔からわかったふりをして通り過ぎてきた文型があります。
それは、It is 構文のなかで、例えば


It is difficult to operate this new machine.を、
「This machineを主語にして書き換えよ」、と問われた場合に、


なんとなく
This machine is difficult to be operated. にしたくなるんです。
(正解はやはり、This machine is difficult to operate. ですよね?)


例1 It is easy to read the book. = The book is easy to read.

例2 It is easy to learn this song.= This song is easy to learn.

これらは、機械的に置き換えて納得させてきましたが、少し立ち止まって意味を考えると、なぜ本がto be read. にならないのかと疑問に思えてきます。
この文型では、主語はThe bookではなく、本当の主語である for me などが省略されている形だから、to以下が能動態、と考えていいのでしょうか。


I want a book to read. と言う文で考えると、「読むための本」が 「a book to read」であって、本というものが、読まれるものであっても、決してa book to be read ではないのですが、無生物なのに..などと考えてしまうと迷路に入ってしまいます。


質問者: e□□□
学年・年齢: 主婦
性別: 女性
回答:

原則として不定詞の主語は文の主語と一致するので I want a book to read. の場合, これが一般的です。
There is 構文なので主語が明示されていないときは There is a book to read. も There is a book to be read. も可能で同じ意味になるようです。


お尋ねの文型 The book is easy to read. は「文法上の主語=不定詞の目的語」という変わった形の文型をとる形容詞のパターンと決まっているからです。 不定詞の主語は推測されたように for us のような一般的な人々でよいと思います。


ではなぜこのような文型が生まれたのか, 個人的な見解です。


形容詞的用法と副詞的用法の不定詞は, 名詞的用法と違って文の主語と不定詞の主語という意識が薄いのではないかと思います。 


名詞的用法で I want to please him. と I want to be pleased by him. と I want him to please me. と I want him to be pleased . は不定詞の主語と文の主語の関係を見ないと意味がとれません。 能動と受動の区別も重要です。


しかし He is easy to please.  の場合, to please は副詞句として easy を修飾いればややこしい受身にしなくてもいいではないか, という心理が働くのではないかと推測します。


つまり文法的な関係よりは意味を重視するのだと思います。


不定詞に受動態ができたのは不定詞にいろいろな文法的な意味合いをもたせた結果,半ば人工的に生まれたといってもいいと思うのです。 
使う側としてみれば, 誤解が生じなければそれでいい, というではないでしょうか。
だから理屈で言えば He is easy to be pleased ですがそうしなくても意味は通じま
す。


「彼は責められるべきだ」は He is to blame. ということを考えてみてはいかがで
しょうか。これは正確には He is to be blamed. ですが,こうすると堅い言い方となって一般には好まれません。

上の回答に対する質問者からのレスポンス:
早速の御返信を、ありがとうございました。


高校時代に理解不明の問題を抱えて、教員室に訊きに行っては嫌がられたのを思い出しました。
「本筋を分かりもしないで、重箱の隅をつつくようなヤツ!」と思われていたのかもしれませんf(^^;


言葉は歴史とともに変ってくるものですから、公式で割り切れるものではないのでしょうね。
He is to blame. も、当時頭を悩ませた例文の1つでしたのでとても懐かしく思いました。 (以下略)