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z131 (10月27日) 人名を使う慣用句(12)


lead the life of Riley 「贅沢に暮らす,気楽に暮らす」


直訳: ライリーの人生を送る
例文: The man who inherited a large fortune can lead the life of Riley.
莫大な財産を相続した人は贅沢な暮らしができる。


Riley はふつうアイルランド系の苗字で Reilly とも綴りますが Riley の方が一般的なようです。 





今から35年以上前, 私はよくアメリカの在日軍家族向けラジオ放送 FEN(Far East Network 現在のAFRTS=Armd Forces Radio and Television Servis)を聞いていました。  毎正時のニュース以外はほとんどがお目当てのDJによる音楽音楽番組でしたが, 夜の7時半ごろに Golden Age of Radio と称し, 古いアメリカのラジオ・ドラマを流していました。 その中に Life of Riley というコメディがありました。 中学生であった私は, 観客の笑い声が聞こえるたびに, 英語を勉強していつかこのような番組も聞き取れるようになるぞ― と誓ったものでした。 


ネットを通してその1つ分のエピソードを聞くことができます。 今は音を聞き取れることができますが, それでも観客が笑っているところで笑うことができません。 1949年制作という時の壁があることと何がおかしいのかというのは文化によって違うからでしょう。 (いや, 聴解力がないから?) 





さて, この慣用句の起源は上記のラジオ番組ではありません。
ボードヴィリアンの歌に起源があるようですが, それがいつどこで誰が作った歌であるのかについて諸説あります。


例えば William and Mary Morris は Morris Dictionary of Word and Phrase Origins でこの慣用句が 1880年代にアメリカのボードヴィリアンのパット・ルーニー(Pat Rooney)が作った Are You the O'Reilly? にあるとしています。 
これはパット・ルーニーが次のようなヴァーズを歌い


A hundred a day will be small pay
on the railroads you'll pay no fare
Last night while walking up Broadway
the crowds shouted loud and clear
1日100セントじゃ稼ぎにならん
汽車に乗っても運賃払えん
昨日の夜 ブロードウエイを歩いていたら
群集が大声ではっきりこんなことを言っていた


そのあと観客が次のコーラス部分を歌う, 歌声喫茶向けの歌だそうです。


Are the O'Reilly who keeps this hotel?
Are you the O'Reilly they speak of so well?
Are you the O'Reilly they speak so highly?
Gor blime me, O'Reilly, you're looking well
あなたはこのホテルのオーナーのオー・ライリーですか。
あなたはみんなが誉め称えているオー・ライリーですか。
あなたはみんながすごいと言っているオー・ライリーですか。
おやまあ, オー・ライリー, あなた,顔つやがよろしいことですね。


そしてこのコーラス部分が稼ぎのない一般市民に対してオー・ライリーの裕福な暮らしぶりを連想することから the life of Reilly (Rily) が生まれたというのが, Morris 夫妻が Morris Dictionary of Word and Phrase Origins で主張している説です。


しかし, パット・ルーニーを検索すると生まれが1880年7月24日1962年9月9日没― とする資料が見つかりました。  もしこれが正しければ Morris 夫妻が1880年代にパット・ルーニが作った歌にあると見るのはおかしいことになります。 





ここで前回の the real McCoy と同じく Michael Quinnion の World Wide Words にお伺いをたてると Morris 夫妻が上のとは違う説を唱えていることがわかりました。


いわく1890年にパット・ルーニーが作った歌を Ned Harrigan と Tony Hart というバーレスク(ストリップなどを含む低俗なバラエティ・ショウ)芸人が次のようなコーラス部をつけて歌い


Well, if that's Mr. Riley they speak of so highly.
Why, faith, Mr Riley, you're looking quite well.
もしみんなが誉め称えているのがライリーさんなら
おやおや, ライリーさん, あなたは顔つやがよろしいことですね。


そしてこれが1915年に Are You the O'Reilly とタイトルをかえてリバイバルしたとき,最後の行が Gor blim me, O’Reilly, you are looking well と変わった― と書かれています。


さらにややこしいことにネット上には 1882年に作られた Is That Reilly? という「作者不明の歌」も見つかりました。


Is that Mr Reilly, can anyone tell?
Is that Mr Reilly who owns the hotel?
Well, if that's Mr Reilly they speak of so highly,
Upon me soul, Reilly, you're doin' quite well!
それってライリーさんのこと? ね,だれかわかる?
それってホテルのオーナのライリーさんなの?
もしみんながすごいって言っているのがライリーさんなら
おやまあ, ライリーさん, あなたうまいことやってるじゃない!





一方, イギリス人の Michael Quinnion は, イギリスでは the life of Riley の起源が 1919年に Pease という人が書いたミュージック・ホール(イギリスのボードビルショウをする寄席)向けの歌 My Name is Kelly にあると信じられていると書いています。


Faith and my name is Kelly, Michael Kelly,
But I’m living the life of Reilly just the same
私の名前はケリー, マイケル・ケリー
でも私はライリーの暮らしをしている。


どれが本当なのか不明のようですが, ボードヴィリアンの歌が起源であるのは確かなようです。