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z003 (05月25日) have other fish to fry 「他にすべきことがある」


直訳: フライにすべき魚が他にある 
例文: I'm not interested in your proposal.  I have other fish to fry.
君の提案には関心がないね。 他にやることがあるんだ。


下の音声ファイルではこの慣用句をもとにした言い回しをしています。




前々回の neither fish nor flesh や 前回の fish out of water と違い, 今回の have other fish to fry は他の言語にそのまま対応できる慣用句がありません。 つまり英語独自の表現であり, また他の言語に借用されていないことをでしょう。 (17世紀中期文献初出)


それでもフランス語には have other fish to fry に相当する意味の慣用句として  avoir d'autres chats à fouetter 「他に鞭を打たなければならないネコがいる」という表現があり, またイタリア語には「解決すべき深刻な問題がまだある」 という意味で avere altre gatte da pelare 「他に皮を剥がなくてはいけないネコがいる」という愛猫家が卒倒しそうな慣用句があります。


これにあたる英語は There' more than one way to skin a cat. 「猫の皮を剥ぐ方法は2つ以上ある」。


なお同じ意味の慣用句として have other eggs to fry (他に目玉焼きにしなくてはいけない卵がある) や have other wool to toze (他にすかなくてはならない羊毛がある) という表現もあるようですが, 使用頻度はかなり落ちます。





さてこの慣用句にある「フライにすべき魚」はイギリス料理の代表 fish and chips  を連想させます。


ここでトニ・マイエールというフランス人が1959年に書いた「イギリス人の生活」(白水社文庫クセジュ)の「食」の項から少し引用してみましょう。


『立派な家や, 年取った女コックや, 高級なレストランは, 他の国におけると同様イギリスにもなるほど存在する。 とはいえ, 概して, イギリスの料理は非常にまずい。 それに気づくには食卓につくまでもない。 レストランの前を通っただけでいい。 料理場から流れ出てくるいやな匂いは, 料理そのものの味以上にその間の消息を伝える。 その匂いを鼻にしただけで, なぜイギリスが消化薬の消費率で世界一といわれる国であるかがわかる。    
―略―  金がありあまっている社会においても, 料理はともすれば非常にまずい。 しかし人々はそれに慣れているので, 本来ならばむしろ悲しげに黙々として迎えるべき料理に対しても賛辞を浴びせる。 レストランにおいても ― 最も高価なレストランにおいてさえも, 料理はやはりまずい。 しかしそれを口に出していうのは, これも品のよいことではないとされている。 《これはおいしい》と口でいいながらも, 人々は皿の半分は食べ残すのである。 (大塚幸男訳)』


今から40年以上前の文章なので現在もイギリス料理がこうなのかはわかりません。 しかしフランス料理店は昔も今もあるのに, 昔も今もイギリス料理店というのがほとんど存在しないことを考えるとそんなに変わらないのかもしれません。


イギリス料理の中で最も有名な fish and chips を前述のトニ・マイエールさんも食したかどうかはこの本には書いてありません。 イメージ検索で見ると某ファーストフード店にあるフィレオフィッシュとフライドポテトを合わせたようなもので, 味もほぼ想像がつきます。 言うまでもなくマイエールさんには書くもおこがましい料理だったと思われます。


私個人は粗食家なので, この手の食事で十分満足ではありますが, それでもイメージ検索にある, フライドポテトの上にどーんと乗せられた油をたっぷり吸いこんだと思われる魚のフライの姿と, 発ガン性があると厚生労働省のお墨付きのあるフライドポテトの組み合わせは, 今1つ「食指動く」とは言いがたいものがあります。  


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