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089 (般)cocoa 「ココア;ココア粉」chocolate「チョコレート」 日本語のココアは英語の cocoa の借用語です。 しかし海外で「ココアを飲みたい」と言おうとして現地語の「飲みたい」の目的語に「ココア(kokoa)」を入れて話が通じるのは韓国ぐらいしかありません。 理由は2つ。 1つは cocoa の a は黙字で正しい発音は[kóukou]であるから[kokoa]。 cocoa はイギリス人が cacao をココナッツ (coco 発音は[kóukou]) と混同してできた単語で coco と見た目の区別をつけるため a を添えました。 2つ目は飲み物のココアは英語以外のほとんどすべての言語では食べるチョコレートと同一の言葉を使うからです。 英語でさえ話し言葉では cocoa より (hot) chocolate の方が通りが良く一般的に使われます。
ココア(チョコレート)には抗酸化物質のポリフェノールが含まれ体に良いとマスコミが取り上げ脚光を浴びました。 イギリスでは古くからチョコレートは滋養物でカカオの粉は薬とみなされていました。 だから英語ではカカオの粉を豆と分けて cocoa としたのかもしれません。 文献初出は chocolate の方が古く1604年, cocoa がほぼ百年後の1707年です。 ココアに対してチョコレートは発音や綴りが多少異なるとは言え, 全世界で通じる共通の単語と言えます。 語源はメキシコのナワトル語 xocolatl。 これは xococ と atl が合さった語で原義は「苦い水」です。 その原義が表すように, チョコレートは飲み物でした。 メキシコのオルメク族が紀元前1500年から400年ころカカオ豆を栽培しはじめ, マヤ文明やアステカ文明を通してエリート層がカカオ豆から加工した飲み物(つまりココア)を飲んでいたと言われています。 英語以外の言語が「ココア」にあたる語を作らなかったのは, 豆はカカオで飲み物はチョコレートとして区別したからでしょう。 初めてカカオ豆と遭遇したヨーロッパ人はコロンブスで1502年のことです。 カカオ豆を運搬しているカヌーを呼び止めてその存在を知ったとされています。 そして1544年マヤの使節団がスペインのフィリッペ王子にカカオ豆とカカオ粉を献上したのがヨーロッパ大陸にが渡った最初の記録です。 スペインは半世紀近くの間, 貴重なカカオを他のヨーロッパ諸国に持ち出すことを禁じました。 門外不出の掟が破られたのは 1615年スペインのフィリペ2世の娘アンがフランスのルイ8世と結婚し, チョコレートをフランス王室に紹介したときです。 しかし他のヨーロッパ諸国にチョコレート(ココア)が広く伝わるにはさらにしばらく時間がかかり, 1650年代になってからです。 スイスやオーストリア, ベルギーなどチョコレートで有名な国があります。 しかしイギリスもチョコレートに関しては先進国でした。 1657年にはロンドンに初めて飲むチョコーレート(つまりココア)の喫茶店 chocolate house が登場します。 フランス人が経営する The Coffee Mill and Tobacco Roll というのがそれで裕福な者たちの社交の場とでした。 1674年にはチョコレートハウスでチョコレート・ロール・ケーキも売られるようになります。 チョコレートは長く飲み物(hot chocolate,cocoa) かケーキの材料でした。 これが板チョコの形になったのは1847年, イギリスのブリストルにある Joseph Fry & Son 社がココアバターと飲むココアを混ぜ合わせペースト状にし型に流しむ製法を考案したのが始まりです。 ハート型のバレンタインチョコをはじめて製造したのもイギリス人で1861年 Richard Cadbury という人物が最初です。 彼は兄弟の John とともに Cadbury Brothers というチョコレート製造会社を作り業績をあげ, 1919年には Joseph Fry & Son 社を買収してしまいます。 |
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