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077 (高) eyebrow 「眉」 eyelash 「まつげ」 eyelid 「まぶた」 もうはるか昔に受けた英語の大学入試問題の一つが eyebrow, eyelash, eyelid から文に合うように適語を選択するというもの。 eyebrow と eyelash のどちらが眉毛?まつげ?と頭の中で日本語と英語が錯綜して焦ったことを30年以上たった今でも覚えています。 しかし eyebrow と eyelash を混同してしまうのは, 私個人の言語感覚に問題があるのではなく古代や中世の英国人も同様で, しかもその錯綜ぶりは異常です。 古英語ではゲルマン祖語の「まばたき」を意味する *brawi- から生まれた braw 「まつげ」と, ゲルマン祖語の「眉」を意味する *brus から生まれた bru 「眉」の二つの語がありました。 しかし前者は「まぶた」に, 後者は「まつげ」に意味を変えてしまいます。 やがて前者の braw は「まぶた」の意味のまま brouw と綴りを変え, 後者の bru は形はそのままで意味が「まぶた」に変わります。 一方, bru から brew と breow という綴りの単語が生まれ,これは「眉」を意味するようになります。 ここで「まぶた」を意味する brouw/bru という語と「眉」を意味する brew/breow の二つのグループにわかれたわけです。 そして前者の brouw/bru は英国南部で brues と形を変え「眉」を意味するようになり, 後者の brew/breow は英国北部で bree と形を変え「眉」を意味する語として残りますが, ロンドンを控える南部の brues が優勢でやがて brow という現在の形になって bree を消滅させてしまいます。 以上 brows までの変遷をまとめてみます。 黄色は brow への流れを表します。 eyebrow の brow は「眉」以外に「額」の意味があります。 そして brow は発音問題の頻出語で[brau ブラウ]と発音します。 英語の借用語「ハイブロー」(highbrow) は [haibrau ハイブラウ]が正しい発音です。 highbrow は額が上のほうにあることで「教養/知性が高い」と言う意味。 逆に lowbrow は額が下にある=額が狭いということで「教養/知性が低い」。 middlebrow は額が真中ということで「ありふれた教養/知性の持ち主」という意味で, highbrow を含めすべて軽蔑的な色合いのある言葉です。 『しぐさの英語表現辞典(小林祐子著/研究社)』によると眉を上げ下げするのは鼻の側の眉(眉根)の部分なので draw one's eyebrows down (眉を下げる) すると眉間にしわが寄り,怒り,不満,不機嫌,疑惑などの厳しい表情のしかめ面になり, draw one's eyebrows together (眉を寄せる)は「眉をひそめる」に当る語で悲しみ,心配,不安,不審,不快などを表すそうです。 なお額の brow を使うと 「眉をひそめる」は knit one's brow (単数形に注意)になります。 最後にゲルマン諸語とロマンス諸語の眉,まつげ,まぶたの比較をしてみましょう。 ゲルマン系の言語は英語とほぼ同じ形をしています。
仏伊西葡の主要ロマンス諸語ではスペイン語をのぞき「眉=まつげの上」という発想です。
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