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072 (般) handicap 「ハンディキャップ」 handicap は handicap は hand in cap 「帽子の中の手」が崩れたもので, 一種の罰金ゲーム(forfeits =失敗すると品物を取られるゲーム)が語源です。 Merriam-Webster の Books of Word Histories によると英国大蔵省の事務員をしていたサミュエル・ペピス(1633-1703: Samuel Pepys ) の1660年9月18日の日記に "Here some of us fell to handicap, a sport that I never knew before, which was very good"(当地=ロンドンでは handicap を始めた者がいる。 今まで経験したことのない遊びで, 非常に魅力的だ。」という記述があるようです。 インターネット上にこの Samul Pepys の日記を公開しているサイトがあり, 上記の日付の部分を調べたのですが見当たりません。 ただこの日記自体は17世紀半ばのロンドンの様子がわかる資料としておもしろそうです。 興味のある方は下のサイトを覗いてみるのはどうでしょうか。 (ともに記述は英語) The Diary of Samuel Pepys Samuel Pepys について(ケンブリッジ大学マグダレーン校のサイト) 別資料によると handicap の文献初出が1653年ころということなので17世紀半ばにこのゲームがイギリス(ロンドン)で生まれたようです。 ただこれと同じようなゲームが14世紀の終わりの William Langland の Piers Plowman という文献に記述があるようです。 その handicap というゲームの方法です。 これは物々交換したい2人の当事者が, その物を同等の価値にするために, アンパイヤになってくれる第3者を選ぶことから始まります。 3人は帽子(cap または hat) に金を入れ, 次いで物々交換をする2人はその帽子の中に手を入れます。 アンパイヤは品物の描写をして鑑定をしたあと二つの品物が同等の価値になるように劣っている品物の所有者に, 例えばビール1杯などのようなプラス・アルファの金品を要求します。 その後で帽子に手を入れていた2人は, もしアンパイヤの出した条件に満足なら金をつかみ, 不満なら何もとらずに帽子から手を引っ込めます。 そして手を開けて双方の意思を確認します。 その結果 (1) 双方とも手に金を持っていたら(つまり条件に満足なら): 物々交換が成立し, アンパイヤは3人が帽子に入れた金をもらいます。 (2) 双方とも手に金を持っていなかったら(つまり条件に不満なら): 物々交換は不成立。 しかしアンパイヤは(1)と同じように帽子に入れた金をもらいます。 (3) 片方が手に金を持っていたら(つまり片方だけが条件に満足なら): 物々交換は不成立。 しかしその満足だとしたものは帽子にプールした金をもらいます。 (1)は3人がハッピーになるケースで, (2)はアンパイヤだけが得をするケースです。 仮にアンパイヤが(2)になるように仕掛けると, 物々交換の品物のどちらかの価値を高くすることになり, 不満に思う側が出てきて結果的に(3)になる可能性が高くなります。 つまりアンパイヤは無報酬となるでしょう。 このようにこのゲームは3人の思惑が正しく反映されるようにみごとな仕組みになっています。 今の時代なら, フリーマーケットのイベントで使えそうなゲームだと思います。 フリーマーケットの出品者が物々交換者に, 買い物客がアンパイヤになるというシチュエーションだとおもしろいのではないでしょうか。 このように片方にハンディキャップを負わせることは, 競馬でも有利な馬に重石を載せる,ハンディキャップ戦(handicap match) として使われるようになり(文献初出1754年) やがてスポーツやゲームの世界でお馴染みになります。 また「身体障害のある」と言う意味の handicapped は1915年が文献初出です。 |
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