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050 (般) swing 「ブランコ」 シーソーを木挽き歌から seesaw とした言い得て妙な命名に比べ, ブランコを「ぶらさがって揺れるもの」ということから swing と命名したのは何のひねりも面白みもなくわざわざスポットライトを当てるほどのことではありません。 しかしあえてここでブランコのページを入れたのは, 英語以外の言語の「ブランコという言葉の不思議」を記しておきたかったからです。 まず日本語のブランコ。 この語源に関してはポルトガル語の「ブランコ」の意味の語 balanço であるとするのが定説のようです。 しかし, このポルトガル語の発音は[バランソ]です。 balanco なら[バランコ]となりますが c の下にセディリャ(フランス語ならセディーユ)と呼ばれる記号がついているので[バランソ]としか読めません。 もしポルトガル語が語源だとするとブランコが日本語になった時代はポルトガル人との交易が盛んであった16世紀半ばから17世紀初めということになるでしょう。 そうだとするとこの時代の外来語は耳から入った音を日本語化しているので, balanço も「バランソ」とか「ブランソ」とか「ブランス」となったはず。 それがブランコであるのは, 目から入ったポルトガル語(それも意図的にセディリャを取り除いたもの)ということになり不自然さが気になります。 これは私の素人考えですが, 水に浮かぶ様を「どんぶらこ」というように, ブラブラぶらさがっている様から「ブランコ」となったのではないでしょうか。 もしポルトガル語の balanço が絡むとしたら, ポルトガル語単独の外来語というより, この「ぶらぶらしている」擬態語との合体と見ると ço の発音の謎も解けるのではないかと思うのです。 ところで漢字でブランコと書くとで読みは「シュウセン」だそうです。 これは台湾で使っている中国語の表記(繁体)と同じです。 ということはポルトガル語の前に中国語経由でブランコが日本語に入っていたということでしょうか。 さて, もう一つブランコという言葉には不思議があります。 それはゲルマン語系以外のヨーロッパ諸語ではブランコとシーソーが混同しているということが多いということです。 ここで辞書で調べた幾らかの言語のブランコとシーソーの意味をまとめておきましょう。
最後になぜブランコとシーソーが混同するのか考えてみましょう。 そのためにイメージ検索を利用してみます。 するとスペイン語の balancin のイメージにrocking horse があり上記のフィンランド語 keinuには rocking chair のイメージがあります。これらの共通点は「バランスを取ってブラブラ揺れるもの」という概念。 日本人のブランコや英語の swing にあるブランコの核になる概念は「揺れる」で「バランス」はあまり気にしていないように思います。 言語によって物と物を分類する線引きの基準が異なる, つまり物の見方が異なるという一つの例ではないでしょうか。 |
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