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047 (般) handkerchief 「ハンカチ」 ハンカチの起源は古代ローマ人が顔を拭くのに使っていた orarium という布。 ハンカチが顔や手を拭く実用的用途以外に, おしゃれの小物として使うように, orarium は現在のスカーフのように首に巻いたり, 観劇の際に贔屓の俳優の注意をひくための小道具のような趣味的な用途もあったようです。 また7世紀ころになると orarium はカトリックの助祭が身につけるストールの役割も果すようになりました。 ただし, orarium は大きさから言えばハンカチというよりスカーフに近いもので, 現在のようなポケットに入るような大きさになったのはルネッサンスになってからで, イタリアのベニスの貴族のある女性が考案し,, レースをほどこした亜麻布にあると言われています。 これがヨーロッパ中の貴族の間に広まり, 高級な布地に凝った刺しゅう,形も正方形だけでなく三角形や円形もある, おしゃれな小物として人気を博しました。 服飾品としてハンカチが重要であった名残は男性の上着のポケットに現れています。 もともと胸のポケットは小銭とかカギとかを入れるところではなく, ハンカチをちらりと見せる場でした。 現在もフォーマルな上着のポケットにハンカチは不可欠です。 (参考) ハンカチの折り方にも流儀あるようです。 詳しくはここをクリック。 (説明は英語ですが図解付です。) さてここで handkerchief という単語そのものについて。 まず文法的に言うと, -f で終わりながら複数形は -ves にならず -f に s を付けるということを確認しましょう。 つまり handkerchieves ではなく handkerchiefs となります。 このように -f で終わりながら複数形が -fs の単語の代表は「屋根」の roof (複数形 roofs)。 ついで語源ですが, これはhand と kerchief が結合したもので, kerchief は古フランス語の couvrechief 「頭を覆うもの」 がもとになっています。 chief はラテン語の「頭」を意味する caput から派生しました。 集団・組織の頭(かしら),長(ちょう)を「チーフ(chief)」と呼ぶのもうなづけます。 日本語のハンカチは言うまでもなく英語の handkerchief の借用語ですが, 世界の言語でハンカチを何と言うか調べると, 意外にも各国語バラバラです。 handkerchief に右へならえしたのは日本語くらいしかありません。 ただ各国語, 形こそ違うものの意味から見るといくつかのタイプに分類できます。 [ポケット関係] ドイツ語 Taschentuch (ポケット布) オランダ語 zakdoek (ポケット布) デンマーク語 lommetørklæde (ポケット布) ノルウエー語 lommetørkle (ポケット布) ハンガリー語 zsebkendo <正書法では o の上に " > (ポケット・カチーフ) チェコ語 kapsník (ポケット kapesní) [布地関係] イタリア語 fazzoletto (ネクタイ用の布地または小さいネクタイ) スペイン語 pañuelo (小さい布) ギリシャ語 mantili (ナプキン,テーブルクロスを意味するラテン語 mantile から) アラビア語 mandil (>ギリシャ語) トルコ語 mendil (>ギリシャ語) ルーマニア語 batista <正書法では a に記号> (麻上布 14世紀のバティスタ派教徒が考案したと言われている。) [鼻関係] フランス語 mouchoir (鼻をかむもの) スエーデン語 näsduk (鼻布) フィンランド語 nenäliina (鼻リンネル) ポーランド語 chusteczka do nosa (鼻用カチーフ) ロシア語 НОСОВОЙ ПЛАТОК (鼻のショール) [手関係] 英語 handkerchief (手カチーフ) 韓国語 sonsugon (>手巾) 中国語 shoupa (>手※) ※は 「巾白」が1字になった漢字が入ります。 インドネシア語 sapu tangan (手でぬぐうもの) |
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