eigo21トップページへ    e-mail     2014年8月1日更新(2011年6月13日公開開始)
正確な震源地(震央)の調べ方  千葉県の震度観測点  房総沖地震1953年の場合  
1956年9月30日(M6.3)の地震の場合     
有感地震の情報(気象庁のホームページ)  無感地震を含む速報(気象庁のホームページ)
 千葉県北西部を震源とする地震の震源地(震央)を調べたら
  〜都市部の直下を震源とする地震が起きている事実〜

                                
このコンテンツのもくじ
1. 千葉県北西部とは
2. マグニチュード6クラスの千葉県北西部を震源とする地震(2005年7月23日の地震など9件)
             ■これらを首都圏直下・東京湾北部地震の想定地域図にあてはめると・・・
3. 千葉県北西部を震源とする有感地震 【 年代別 】分類  
4. 年代と地域による震央の統計 
             ■千葉北西部の地震の40%は千葉市が震源です。      
5. 千葉県北西部を震源とする有感地震 【 市町別 】分類(市町別インデックス)
6. 追記
 
【付】1.地震の正確な発生日時, 震源地(震央), 深さ, 強さ(マグニチュード), 震度の調べ方
     2.地震について役立つリンク
   3. 房総沖地震〜1953年の場合
   4.千葉県の震度観測点 
              ■同じ千葉県でも有感地震の数に大きな開きがあります。
 ※注
   お住まいの市町村・地区の過去の地震の規模や震度などを知りたい方へ:
気象庁の震度データベースの使い方をまとめました。 ここをクリック。





【千葉県北西部とは】


この気象庁の気象予報区でいう千葉県北西部は, 東京寄りの以下の22市町をいい, 
面積1,944km2 人口約491万の都市部にあたります。 
これは千葉県の全面積の35パーセント, 人口の80パーセントにあたり, 
面積でいうと東京都(2,187km2)に, 人口でいうと福岡県(約507万人)に匹敵します。  
※人口統計は2010年


    千葉市    ちばし
市川市   いちかわし
浦安市   うらやすし
船橋市   ふなばしし
習志野市  ならしのし
八千代市  やちよし
鎌ヶ谷市  かまがやし
松戸市   まつどし
柏市     かしわし
流山市    ながれやまし
野田市   のだし
我孫子市  あびこし
印西市   いんざいし
白井市   しろいし
成田市   なりたし
佐倉市    さくらし
四街道市  よつかいどうし
八街市    やちまたし
富里市    とみさとし
市原市    いちはらし
印旛郡酒々井町  いんばぐん しすいまち
印旛郡栄町   いんばぐん さかえまち


地震の震央の地名は経緯度をもとにして地域と地域の境界を定めているため, 行政で使う地域名と地震の震央で使う地域名が一致しないことがあるようです。 たとえば千葉県野田市は「千葉県北西部」「茨城県南部」「埼玉県南部」に分割されています。


詳しくは気象庁のホームページを参照ください。
地震情報で用いる震央地名(日本全体図
地震情報で用いる震央地名(東北・関東・北陸・東海地方


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マグニチュード6クラスの千葉県北西部地震


千葉県北西部は都市部が多くを占める, 地震国日本の中でも屈指の「地震の巣」であります。 
「地震の巣」であれば, それだけ大きな地震に見舞われる可能性があるのか? 頻繁に地震がありエネルギーを放出しているから安心だという見方と, 頻繁に地震があるのだから大きな地震が起こる確率が高いという, 二つの相反する見方ができると思います。 

実際のところ気象庁の地震データが閲覧できる1926年以降の記録を見ると, 2011年の東日本大震災までの88年の間で, マグニチュード6.0 を超える地震が6回起きています。


 Wikipedia の記載 では1951年と1952年の市原市を震源とする地震が含まれず4回となっています。
またマグニチュード5.7以上を加えると9回起きており,  これら9回の地震のうち6回までもが1950年代に起きています。 1953年にはM7.4の房総沖地震も起きており(くわしくはここをクリック), 1950年代は千葉県にとって「地震の当たり年代」のようでした。


 Wikipedia の記載によると, 25年周期で起きる固有地震が示唆されているようです。 するとこの1950年代の異常な地震の件数は25年周期説のなかでどういう位置づけになっているのでしょうか。


 
    マグニチュード6クラス(M6前後)の千葉県北西部を震源とする地震
 発生日時  震源地(震央) N=北緯 E=東経 深さ   最大震度
2005年7月23日
16時35分頃 


震央と思われる場所のストリートビュー


余震の震央の地図とストリートビューは2005年のページを参照ください。


▲過去のこの付近の地震
35゜34.9'N 140゜8.3'E 
千葉市中央区 蘇我駅付近
地図
2002年8月30日午後8時28分にもまったく同じ経緯度で地震が発生していました。 このときは深さが71kmでマグニチュードは3.8でした。



余震を含めた震央の地図
(クリックすると拡大します)

震源域が千葉市中央区をほぼ南北に縦断していたことがわかります。
73km  6.0  5強 東京足立区伊興
5弱 東京大田区本羽田 江戸川区船堀 横浜中区山手町 市川市八幡 埼玉県草加市高砂など
【千葉市は中央区中央港で震度4】
1980年9月25日
02時54分頃 


▲過去のこの付近の地震
35゜31.0'N 140゜13.0'E 
千葉市緑区 土気緑の森工業団地付近
地図


当日の余震を含めた震央の地図
(クリックすると拡大します)

2005年の地震の南部で重なる部分があります。


80km  6.0  4  東京千代田区大手町 
横浜中区山手町 
千葉中央区中央港など 

1956年11月4日
14時37分頃 





35゜32.9'N 140゜12.0'E 
千葉市緑区 誉田駅付近
地図
71km  5.8  3 銚子市川口町
館山市富崎測候所
勝浦市墨名
東京千代田区大手町
横浜中区山手町など  

1956年9月30日
08時20分頃 

新聞記事より


35゜31.0'N 140゜13.0'E
千葉市若葉区 千城台北駅付近地図  ストリートビュー
81km  6.3  4  東京千代田区大手町 
横浜中区山手町 
1956年2月14日
09時53分頃 
35゜42.2'N 139゜56.6'E
市川市 原木中山駅付近 
地図    ストリートビュー
54km  5.9  4  東京千代田区大手町 
横浜中区山手町 
3  千葉中央区中央港など 
1955年1月17日
11時21分頃 
35゜33.0'N 140゜12.0'E 
千葉市緑区 誉田駅付近
地図
70km  5.7  4 横浜中区山手町 
3  千葉中央区中央港など 
1952年5月8日 
09時58分頃
35゜28.6'N 140゜11.7'E 
市原市犬成(長柄ダム)付近
地図
47km  6.0  4 館山市長須賀
横浜中区山手町 
1951年1月9日
03時32分頃 
35゜27.0'N 140゜4.2'E 
市原市泉台付近
地図
64km  6.1  4 東京千代田区大手町
横浜中区山手町
千葉中央区中央港など 
1928年5月21日
01時29分頃 
35゜40.1'N 140゜3.9'E
千葉市花見川区 武石インター付近
地図   ストリートビュー
75km 6.2  5  東京千代田区大手町 
横浜中区山手町
4 勝浦市墨名
埼玉県秩父市近戸町など
3 銚子市川口町
館山市長須賀
福島市松木町など 

  上記の表の9つの地震を, 国が想定した首都直下地震の震源地の一つ東京湾北部の区域と合わせたのが左図です。
すべて想定地域内に収まっています。


(注)
影の部分が東京湾北部の想定区域です。
東大地震研究所の文献 にある図を参考にして作成しており, 想定区域を必ずしも正確に表しているわけではありません。

















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千葉県北西部を震源とする有感地震の年代別分類


 2010年から現在までの千葉県北西部を震源とする地震
 2000年代(2000年〜2009年)の千葉県北西部を震源とする有感地震
 1990年代(1990年〜1999年)の千葉県北西部を震源とする有感地震
 1980年代(1980年〜1989年)の千葉県北西部を震源とする有感地震
 1970年代(1970年〜1979年)の千葉県北西部を震源とする有感地震
 1960年代(1960年〜1969年)の千葉県北西部を震源とする有感地震
 1950年代(1950年〜1959年)の千葉県北西部を震源とする有感地震 
 1940年代(1940年〜1949年)の千葉県北西部を震源とする有感地震
 1930年代(1930年〜1939年)の千葉県北西部を震源とする有感地震
  1920年代(1926年〜1929年)の千葉県北西部を震源とする有感地震



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【年代と地域による有感地震の震央の統計


(1) 概要
 





  

  




左図は, 気象庁の地震データベースで閲覧できる1926年から2011年3月11日の東日本大震災までの千葉県北西部と東京湾の千葉県北西部沖合いを震源とする有感地震の震央の総数を市町別に表したものです


灰色の影で示した, 千葉市を中心とする, 市原市, 印西市, 八千代市, 佐倉市などが震央が多く記録されている地域で, 特に千葉市は抜き出て多く, 千葉県北西部と東京湾の千葉県北西部沖合いを震源とする地震の震央の約40%を占めています。


次いで市原市が多く, 千葉県北西部と東京湾の千葉県北西部沖合いを震源とする地震の震央の約15%を占めています。 したがって千葉県北西部と東京湾の千葉県北西部沖合いを震源とする地震の半分は両市で起きていることになります。


また千葉県北西部を震源とするマグニチュード6前後の地震が1926年1月から2011年8月現在までで9回起きていますが,  そのうち8回までもが千葉市と市原市が震央です。 回数だけでなく大きな地震が起きた点でも, 千葉市と市原市は突出しています。 

これに対し,野田,柏,松戸,流山,我孫子などの東葛地方は地震の震源になることが少ないと言えます。




(2) 年代別 各市町の有感地震の震央数


   年代別の有感地震数については各年代の観測体制を考慮する必要があります。
たとえば千葉県北西部に地震観測地点が初めて設けられたのは1953年7月18日, 現在の千葉市中央区川崎町のJFEスチール構内(当時の川崎製鉄)に気象庁(当時の中央気象台)の調子気象台(当時の銚子測候所)千葉出張所が誕生したときです。 しかも1964年12月に千葉市中央区出洲港の旧千葉港湾合同庁舎に移転するまでは今ほど観測体制が整っていなかったように思えます。
                                                ※ 2011年3月11日以降  2014年8月1日現在
1926
-  29 
1930
-  39
1940
-  49
1950
-  59
1960
-  69 
1970
-  79
1980
-  89
1990
-  99
2000
- 09
2010
-  12
 ※  合計
千葉市   17   19  20  52  25  24  29  41  52  12  71  360
市原市    3  11   9  22  13   8  10  10  14   1  28  129
八千代市    0   2   5   4   5   9   7  11   2   1   6   50
印西市    2   6   3   6   2   2   7   8  16   1  11   64
佐倉市    3   2   6   7   9   2   5   1   4   1   4   44
四街道市    2   1   4   2   3   0   1   0   6   2   5   26
船橋市    1   3   4   5   4   1   1   2   4   1   0   26
習志野市    1   3   0   2   1   0   0   0   1   0   7   15
市川市    0   2   1   4   2   0   0   2   2   0  4   17
浦安市    0   2   1   3   0   0   0   0   1   0   1    8
鎌ヶ谷市   1   0   1   0   0   1   0   1   1   0   0    5
白井市    1   2   3   3   0   1   0   2   1   0   6   19
1926
-  29 
1930
-  39 
1940
-  49 
1950
-  59 
1960
-  69 
1970
-  79 
1980
-  89 
1990
-  99 
2000
- 09 
2010
-  11
※   合計
松戸市    0   1   2   2   0   0   0   1   0   0   1    7
柏市   2   0   0   1   0   0   0   1   0   0   0    4
柏市(旧沼南町)    0   3   0   2   0   0   1   0   0   0   1    7
流山市    0    0   0   0   1   0   0   0   0   0   0    1
野田市    0   0   0   0   0   0   0   1   0   0   0    1
我孫子市    1   2   0   0   0   1   0   0   2   0   0    6
成田市    0   1   3   0   1   2   0   2   0   1   1   11
富里市    0   1   1   0   0   0   0   0   0   0   0    2
八街市    2   1   0   1   2   2   1   0   0   0   0    9
印旛郡酒々井町    0   1   0   0   0   2   2   0   0   0   0     5
印旛郡栄町    0   0   1   0   0   1   0   1   0   0   0    3
 その他   1   4   2   1   0   1   1   1   4   3   1   19
 合計  29  67  66  117  68  57  65  85  110  21  147  841
(注)
千葉市,市原市,習志野市,船橋市,市川市,浦安市は各市の沖合いの東京湾で発生した地震も含んでいます。


「その他」は気象庁が発表する震央の地域名と行政上の市町村が必ずしも一致しないため「千葉県北西部」として発表されていながら千葉県北西部にない隣接する市町村が含まれています。 
例 茨城県取手市, 茨城県利根町, 千葉県長生郡長柄町, 千葉県山武大網白里町, 千葉県香取市, 千葉県夷隅郡大多喜町,など




(3) 主な地点の特徴


千葉県北西部でも地震の震央になりやすい千葉市, 市原市, 印西市, 八千代市について簡単に触れておきます。



千葉市は地震の巣の上に都市ができていると言っていいほど, 市の全域が震央になっています。
特にJFEスチールや蘇我, 鎌取, 大森台の各駅の付近, 若葉区の御茶屋御殿跡付近, 千葉北インター付近, 幕張の浜から新港, JFEスチール, 東京電力千葉発電所の沖合いにかけて, 多く地震が発生しているようです。


市原市も京葉コンビナート沖合いで地震が多く発生しています。 特徴的なのは東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)のあと市原市沖合いと市原市能満付近で群発的に地震があったため, 2011年3月以降では千葉市よりも震央が多く記録されていることです。 


印西市は2000年代を中心にして北総鉄道沿いの千葉ニュータウンで地震が起きています。 周辺の町村と合併し面積が広くなったため, 震央の数も多くなっています。



八千代市も市域全体に震央があります。 特に1970年代から1990年代に米本団地を中心として新川,桑納川周辺が震源となる地震が多く発生しました。  2000年代からは地震の発生は以前ほど多くありません。




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千葉県北西部の各市町の震央データ
 ※黄色は東京湾として分類されているデータ



京葉・東葛・印旛地区



我孫子市
■市川市 京葉港(浦安・市川・船橋)沖合い 江戸川・江戸川放水路沿い(行徳市川市南東部 市川市北東部
■印西市 千葉ニュータウン中央駅付近 神崎川・新川沿い 印西牧の原駅付近 印旛日本医大駅付近 下手賀沼付近 印西市北部 印旛沼中央配水路付近
印旛郡栄町
印旛郡酒々井町
■浦安市 京葉港(浦安・市川・船橋)沖合い 江戸川・江戸川放水路沿い
柏市
鎌ヶ谷市
■佐倉市  ユーカリが丘・志津・王子台付近 臼井・江原台付近 佐倉インター・工業団地付近 大佐倉付近
■白井市 白井駅・西白井駅付近 下手賀沼付近
■富里市 →八街市 印旛郡酒々井町
成田市
流山市
習志野市
野田市
■船橋市 船橋市南部 船橋市東部・北部 京葉港(浦安・市川・船橋)沖合い 小室駅付近
松戸市
八街市
■八千代市 米本団地付近 村上団地・八千代中央・勝田台付近 八千代台付近 八千代緑ヶ丘付近
四街道市 鹿放ヶ丘





千葉地区



■千葉市稲毛区 稲毛 千葉北インター 県スポーツセンター
■千葉市中央区 旧市街(千葉駅・本千葉駅・西登戸駅) 西千葉 都町 中央港・千葉港 蘇我・浜野 JFEスチール構内 JFEスチール・千葉港沖合い 大森台・仁戸名 千葉東インター
■千葉市花見川区 検見川 幕張・幕張本郷  さつきが丘 こてはし台
■千葉市緑区 鎌取・おゆみ野・誉田 土気・昭和の森
■千葉市美浜区 美浜区 幕張の浜・検見川の浜沖合い  新港 いなげの浜・新港沖合い
■千葉市若葉区 大宮・平和公園 都賀・動物公園 千城台・御茶屋御殿跡 桜木霊園 泉自然公園・中野






市原地区



■市原市 京葉コンビナート沖合い 八幡宿付近  能満・辰巳台付近  五井付近  姉崎付近  長柄ダム付近  市原市南部  ちはら台付近 市原市浜野GC付近



 東京湾北東部


分散して分類されている下図の範囲内の千葉県北西部側の東京湾と埋立地を震源とする地震をまとめたもの。 ここをクリック


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追記


千葉県北西部は地震の巣です。 ですからその千葉県北西部で暮らすということは自分の足の下でプレートが動いていて, 自分の家,職場,学校の真下を震央とする地震も起こることを自覚して暮らすことでしょう。 と言ってむやみに恐れることもないと思います。 過去の千葉県北西部を震源とする地震の震央を調べても, その震央の地点で大きな被害が出たということはありませんでしたから。 


それでも地震の巣の上で暮らすということは綱渡りのようでもあります。 たまたま運良く地震の規模が小さかったり深いところで起きたりしただけで, 運が悪ければ大災害になったこともあるでしょう。


たとえば2005年7月23日午後4時35分に起きたマグニチュード6.0の千葉県北西部地震。
震源地は蘇我駅のすぐそば中央区宮崎2丁目付近です。 完全に千葉市直下の地震だったのですが震源の深さが73kmであったのが幸いして地元千葉市では大きな被害はありませんでした。


しかしもし同じ規模の地震が,5ヶ月前の2月28日午前3時31分頃,7.5km南の市原市能満地区で起きていたとしたら, 阪神大震災クラスの大惨事になっていたはずです。 というのは同時刻に深さわずか1km(!)で地震が起きていたからです。 これは2011年5月11日スペインのロルカで起きた地震と同じ深さです。  ロルカの場合はマグニチュード5.1 でしたが, 市原市能満の場合は, 2.7という小さな地震だったがめ最大震度が1程度でした。


ところで千葉県北西部以外に住んでいる場合, 千葉県北西部を震源とする地震は脅威でないかというとそうでもなさそうです。 震源地より離れたところで揺れが大きかったり被害が出たりすることが地震にはありますが, 千葉県北西部を震源とする地震でも同じことが言えます。  たとえば上記に触れた2005年のマグニチュード6.0の地震の場合がそれです。 千葉市では震度4ということでしたが, 県内の他市や他都県では震度5弱や5強だったところもありました。


また千葉県内の観測所では観測されない千葉県北西部を震源とする地震も少なくありません。 特に1960年代前半までに目立ちます。 例えば1960年から1964年の5年間で, 千葉県北西部(千葉県北部よりの東京湾を含む)を震源とする有感地震は39回起きていますが, このうち千葉県内の5箇所の観測所(注)でも観測されたのは1960年の2回と1961年の2回と1962年の1回の計5回しかありません。 つまり39回起きた千葉県北西部を震源とする有感地震のうち34回の地震は地元千葉県の観測所では記録されていないということです。


もう一つ具体例。 気象庁の地震データベースによると1946年12月1日22時52分頃に佐倉市の中志津を震源とするマグニチュード5.3(深さ77km) の地震が起きています。 このときの震度は以下のようになっています。
山梨県  3 甲府市飯田
      2 富士河口湖町船津(旧)
茨城県  2 水戸市金町(旧)、石岡市柿岡、筑波山測候所
栃木県  2 日光市中宮祠(旧)、宇都宮市明保野町
埼玉県  2 熊谷市桜町
東京都  2 東京千代田区大手町 、伊豆大島町元町(旧)
神奈川県 2 横浜中区山手町
静岡県  2 熱海市網代(旧)、伊東測候所、静岡駿河区曲金(旧)
福島県  1 福島市松木町、いわき市小名浜
群馬県  1 前橋市昭和町
震源地である千葉県を除いた関東全都県と周囲の山梨,福島,静岡県で揺れが観測されているのです。


これは千葉測候所の観測体制に関係があるでしょう。 千葉測候所のホームページによると同測候所は1953年7月に千葉市中央区川崎町の現在のJFEスチール(当時の川崎製鉄所)内に間借りした形で観測を始め, 1964年に千葉市中央区出洲港の旧千葉港湾合同庁舎に移転しています。
この移転をする前と後では他都県で観測されているのに千葉県内で観測されていない千葉県北西部を震源とする地震の数に歴然とした差があるのは一目瞭然です。 (こちらのページ参照)


地震の巣の千葉県北西部で長い間, 地震の観測体制が整っていなかったのは, そこに住む者にとって残念なことーというより問題であると思うのです。


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※注  このコンテンツの作成者は地震の専門家ではなく, 別ページで記載した地震の正確な発生日時, 震源地(震央), 深さ, 強さ(マグニチュード), 震度の調べ方に基づいて, ネットで閲覧可能な気象庁の資料等をこのコンテンツの内容に合うようにまとめたに過ぎません。

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