ぶらりボキャブラ散歩 今日の 気まぐれ英語慣用句 |
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z127 (10月21日) 人名を使う慣用句(8) John Bull 「イギリス人」 John Bull については Wikipedia に詳しい記述があります。 以下はその John Bull と John Arbuthnot の項(ともに記述は英語)を参考にしています。 John Bull はスコットランド出身の医者で風刺作家のジョン・R・アーバスノット(Dr. John R. Arbuthnot)によって作られたキャラクタが起源。 アーバスノットはのちに『ガリバー旅行記(1726年)』を執筆するジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift) とともに, トーリー党を支持し, スペイン継承戦争をやめさせる運動をしていました。 ともに小冊子を作りますが, アーバスノットが書いた5冊の小冊子の1冊目 『Law Is a Bottomless Pit (1712年)』に John Bull の原型が見られます。 John Bull (イギリス)がLouis Baboon (ルイ14世=フランス)に 死んだ Lord Strutt (カルロス2世=スペイン)の所有地を求めて訴える ― というように国家を人になぞらえて書かれたもので, 以降アーバスノットは History of John Bull など一連の風刺文で John Bull を登場させました。 ジョン・アーバスノットの描いた John Bull は, 善意と常識に満ちながら不満を抱える, ファッション・センスがないフツーの田舎者。 ちょっとビールを一杯やる家庭的な平和を好み, 風格があるわけでも英雄的な反骨精神もない男でした。 のちにイメージとして描かれるときは, 第1次世界大戦の新兵募集のポスターで見られるように, ボタンを外したタキシードと,ユニオンジャックの模様のベストが見えるビール腹。 ひざまである半ズボンを履き, low topper と呼ばれる山高帽を被る姿をしています。 このイメージは19世紀から20世紀初めの新聞漫画によく登場したようです。 イギリスの John Bull に対してアメリカ人を象徴するのは Uncle Sam 。 こちらは米英戦争最中の 1813年 に John Bull に対抗して作られたキャラクタで合衆国の イニシャル U.S. をもじったもの。 もともと建国当時には Brother Jonathan というアメリカ人を表すキャラクタ があったのですが, これを凌ぐようになりました。 イメージは Thomas Nast の風刺画(イメージ検索)(イメージ検索)を通して広まりました。 James Montgomery Flagg による第1次世界大戦の新兵募集ポスターと上記のイギリスの新兵募集ポスタを比べるとおもしろいかと思います。 |