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z098 (09月13日) 衣類を使う慣用句(7)


catch 〜 with sb's pants off 「不意をつく」


直訳: ズボン(パンツ)を脱いでいる状態のダレダレを見つける
例文: The unexpected attack at night caught the enemy with their pants off.
夜の奇襲攻撃に敵は不意をつかれた。


この catch は「捕まえる」と言うより catch sb off guard 「油断しているところを突く」と同じ「準備していない状態でいるところを見つける」という意味。 では pants はズボンなのでしょうか。 それとも下着なのでしょうか。 ズボンを穿いていない状態なのかパンツを穿いていない状態なのかでは不意を突かれた衝撃度に大きな差が出るので気になるところです。





日本で「ズボン」を「パンツ」と言うようになったのはさほど古いことではなくここ10年程度のことでしょう。 そしてこれは若者文化の発信地アメリカの影響と思われます。 というのは pants をズボンの意味に取るのはアメリカで, かつての日本と同じ下着の意味に取るのはイギリスだからです。 (イギリスの「ズボン」は trousers)  そうしますと pants がズボンの意味になったのは新しいことのように見えます。 しかし実際は逆でズボンの意味の方が先で下着の方が新しい意味です。 だから日本でパンツが下着からズボンの意味に広がったのは, いわば言葉が昔返りした現象と言えます。


下着のパンツを英語でどういうかは案外ややこしく誤解が生じやすいのです。 それは男性用の下着と女性用の下着, アメリカ英語とイギリス英語と和製英語, この2つが組み合わさって複雑になっているからです。 これは自動車のパーツ名の複雑さに匹敵します。
日本語 英語 米語
パンツ(pants) 男性用下着
(ズボン)
男女の下着 ズボン
ブリーフ(briefs) 男性用下着 男女の下着 男女の下着
ショーツ(shorts) 女性用下着 運動用パンツ 運動用パンツ
男性用下着
パンティ(panties) 女性用下着 女性用下着 女性用下着


さらに下着は俗語も少なくありません。 例えば男性用下着を意味するイギリスならびにヨーロッパの俗語の Y-front 。 日本語の Y シャツが white shirts から来た和製英語であるのに対し, Y-front は見た目からの命名です。 
ここをクリックするとイメージが出ます。 これを見れば Y-front という命名に納得が行くはずですが, 男性の下着姿を見たくない方は無視してください。



 

下着の話で終わりにするのも何ですので, pants の語源に触れておこうと思います。 これは日本語でも1960年代終わりに流行ったパンタロンと同じ, フランス語のズボンを意味する pantalons が元です。 そしてこの pantalons はルネッサンス期のイタリアで生まれた仮面を身につけた役者が演じる即興喜劇コッメディア・デラルテ(Commedia d'Arte)の登場人物の一人ベネチア出身の Pantalone という金もうけしか頭にない商人が語源です。 このキャラクタが身につけているタイツ(イメージ検索) からフランス語でズボンのことを pantalons  と称すようになったのです。 これが pantaloons となって17世紀に英語に取り入られ19世紀の中ごろに短くした pants が使われ始めるようになりました。