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z094 (09月07日) 衣類を使う慣用句(3)


keep one's shirt on 「怒らないでいる; 冷静にしている」


直訳: シャツを着たままにしている
例文: He got all the angrier when he heard "Keep your shirt on.  Nobody wants to see your sissy body."
彼は「怒るな。 だれもお前の女々しい体なんか見たくない。」と言う言葉を聞いたときますます怒った。






ふつう命令文の形で使います。
さてなぜ「シャツを着たままでいろ」が「怒るな」になるのか考察してみましょう。 ある説によると, かつてはシャツが高価だったのでケンカをするときはそのシャツをだめにしないために脱いでいた。 だから「シャツを着たままにしているということ→ ケンカをしないこと→ 怒らないこと,冷静でいること」と意味が展開したのだそうです。


この慣用句の起源は比較的新しく文献初出は 1904年です。
そこで実際にシャツが高価であるか1888年のイギリスの物価を掲載したサイトでいくつかの品物の当時の値段を調べてみました。
  • 靴下 1シリング
  • 帽子 2シリング6ペンス
  • アンダーベスト 2シリング6ペンス
  • フラノのシャツ 3シリング
  • 傘 7シリング
  • シルクハット  7シリング6ペンス
  • ブーツ 10シリング
  • オーバーコート 1ポンド15シリング
  • 平日のスーツ 2ポンド

  • 1週間分の男性の衣料費 1シリング
  • 1週間分のお茶 1シリング
  • 1週間分の朝食 1シリング8ペンス
  • 1週間分の夕食(dinner) 5シリング
  • 1週間分の家賃 6シリング
などとなっています。 シャツがフラネルのシャツ(イメージ)だけではなんとも言いがたいですけれども, 特に目立って高価とも言えないような気がします。 


ケンカをするときにネクタイを緩めさらに上のボタンを外す光景を見かけます。 これと「シャツを脱ぐ」行為には同じ心理が働いているのではないでしょうか。 それはネクタイが高価だから汚さないようにしようということより, 衣類で動きが邪魔されないようにするためとか, 宣戦布告の合図とか, 威勢のいいところを見せるとか, 逆に冷静になろうとする裏返しとか, いろいろ説明ができると思います。  もしケンカの前にシャツを脱ぐとしたら, そういう理由でそうすると考えることもできるような気がします。


イギリス英語として keep one's shirt on と同じ意味・使い方をする慣用句に keep one's hair on があります。 こちらは暗にカツラを飛ばすといけないからケンカをするな, という意味に取れます。 またネコが怒ると毛を逆立てる姿から連想からとも考えられるのではないでしょうか。