eigo21ホームページへ      

英語慣用句アルファベット順索引
アーカイブス(単語) アーカイブス(慣用句)
音声ファイルがいっぱい! ひとことENGLISH
英語以外の外国語引用索引(主に単語) 
英語以外の外国語引用索引(主に慣用句)
サイト内検索
.
z087 (08月20日) 食品を使う慣用句(9)


in the soup  「困った状態で」


直訳: スープの中に
例文: Potato chips are in the soup: a California consumer group has begun a campaign to require warning labels on potato chips, saying they contain acrylamide, a chemical known to cause cancer.
ポテト・チップが苦境に。 カリフォルニアの消費者団体がポテト・チップは発ガン性物質アクリルアミドを含むという警告文を商品に付けることを要求するキャンペーンを始めた。


この慣用句の起源について, The Phrase Finder というサイトの掲示板に, 英語圏出身者と思われる男性が1845〜49年のアイルランドのジャガイモ飢饉(Potato Famine)にあるという投稿をしています。  この際, 困窮者に対しプロテスタント関係者が無料簡易食堂(soup kitchen) が設けたけれど, ここで食事をとることはカトリックからの改宗を意味するため, 板ばさみで困った状態になった― というのをダブリンのツアーガイドから聞いたとのことです。


調べてみると, アイルランド英語に「布教活動の一環として困窮者にスープを無料配給するプロテスタント聖職者」を意味する souper という語があるようです。 その文献初出が1854年となっていますからジャガイモ飢饉のころ, プロテスタント団体が盛んに soup kitchen による救済布教運動をアイルランドでしていたことが伺われます。 これを持って in the soup の起源がここにあるとしていいかは不明ですが, 少なくともアイルランドのカトリック信者には soup が特別の意味合いを持っていることは推測できます。 
そう考えると一般市民からの投稿による「ちょっと良い話」「お涙頂戴話」を集めたエッセイ集のタイトルがなぜ Chicken Soup なのかも合点が行きます。 (蛇足ですが, その話の語り口がセンター試験の大問6で出題されるタイプの文章に似ているので予備校の模試でこのシリーズ本からの文章が引用されることがしばしばありました。)