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z079 (08月12日) 食品を使う慣用句(1)


bring home the bacon  「家族を養って行く;うまく仕事をやりとげる;勝つ」


直訳: 家にベーコンを持ち帰る
例文: The girl said, "Mommy brings home the bacon and Daddy cooks it."
その少女は言った。「お母さんがおうちにお金を持って来てお父さんがやりくりしているの。」


主語になるのはお父さんだけではなく, お母さんはもちろん, 自分の選挙区の住民に一肌脱いでいる代議士でもOKです。 
例文: The local people expected their representative  to bring home the bacon.
地元では代議士先生がおいしい話を持ってくるのを期待していた。


さらに会社が主語になったり, チームが主語になると「稼ぎがある」または「事業がうまくいく」「勝つ」というように意味が広がります。
例文: The company will bring home the bacon again for this quarter.
その会社はこの四半期に再び収益をあげるだろう。
例文: Our school baseball team brought home the bacon.
我校の野球チームは勝利した。


さらにライトハウス英和辞典は次のように行為が主語になった文を例文にしています。
例文: His writing didn't bring home the bacon.
彼の文筆では生計が立てられなかった。





この慣用句の起源についてはロンドンの北50キロほどにある, エセックス州グレート・ダンモウという町で Whitmonday (聖霊降臨祭の翌日の月曜日;復活祭後の第7月曜日)に行われる Dunmow Flitch Trial ('ダンモウわき腹肉ベーコン裁判')にあるとする説があります。


Dumow Flitch Trial は, 自分たちは1年間, 円満であったと自己申告して来た夫婦を裁判にかけ, 認められた夫婦にわき腹肉のベーコン(flitch)をあげみこしに祭り上げて街中を歩くというイベントです。 


この起源は1104年, 新しくできた小修道院へ地元の領主夫妻が質素な身なりで現れ, 結婚生活の祝福を求めたところ, 感動した院長がわき腹肉のベーコンを与えましたことにあります。 その後, 領主夫妻は,小修道院に土地を寄付したのですが, 条件として, 自分たちと同じように献身的な夫婦にわき腹肉のベーコンを与えることを求めました。 それから4年に一度の Whitmonday になるとイギリス全土からわき腹肉のベーコンの「栄誉」を求めてイギリス全土から善良な夫婦が集まったということです。
(The Official Dunmow Flitch Trials Committee website http://www.dunmowflitchtrials.co.uk/index.html より)
なお上記のサイトには, 現実にベーコンのわき腹肉をもらった夫婦のリストがあります。 それによる2000年に4組, 2004年に3組が選ばれたようです。 
現在はイギリスだけではなく, 世界中から参加者を募集しているようです。 もし円満な夫婦でしたら, 次回の2008年7月12日の Dunmow Flitch Trials に参加してみてはいかかですか。





さて, 実は, このように書いておきながら, この慣用句の起源が Dumow Flitch Trial にあるのかちょっと疑問があります。 というのは上記のサイトにはどこにも bring home the bacon の起源はここにありとは書いてはいないのです。 しかも, この慣用句の文献初出はOEDによると Dumow Flitch Trial よりもはるかに時代を経た1908年だということですから, 何か別に起源があるような気もします。