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z056 (07月20日)  through +体の部位 の慣用句(1)


pay through the nose  「法外な金を払う,ぼられる」


直訳: 鼻を通して払う
例文: The elderly woman paid through the nose when the wicked home improvement company deceived her into signing some contracts.
悪質なリフォーム会社に騙されて複数の契約を結んだときその年寄りの女性は法外な金を払った。


イギリスの詩人, アンドルー・マーベル(Andrew Marvel 1621-1678)の The Rehearsal Tranposed (1672) にある Made them pay it most unconsciously and through the Nose. (彼らに無意識のうちに法外な金を払わせた)が文献初出。


この変わった慣用句の起源は3つの説があります。 
1. バイキングがアイルランドに統治した9世紀に, 税を払えなかった者の鼻を切開したから。 これは popular etymology (通俗起源) で否定されています。
2. イギリスの古い俗語で金を rhino と言い, これをギリシャ語の「鼻」 rhinos に掛けてできたという説。  しかしイギリスの俗語と外国語であるギリシャ語が結びつくというのはこじつけがましく聞こえます。
3. 日本語で「出血大サービス」というように, 金には「出血」がつきもののようで, 英語でも 「人を脅して金を搾り取る」という意味の bleed 人 for money はという熟語があります。 これが nosebleed 「鼻血を出す」を連想させ pay through the nose に展開したという説。 3つの起源の中では一番信憑性がありますが, それでもこれが起源という断定はされていないようです。


フランス語とイタリア語では「頭の目の分, お金がかかる」という慣用句があり, これは日本語の「目の玉が飛び出るほど高い」を連想させます。
フランス語 couter les yeux de la tete
イタリア語  costare un occhio della testa