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z038 (07月02日)  apple of discord 「争いの種, けんかの元」
                       
 
直訳: 不和のりんご
例文: Inheritance often becomes the apple of discord among brothers.
         遺産相続はしばしば兄弟の中の争いの種になる。


z036 の bone of contention と同じ意味。 ただしこちらは日常会話でつかうような言い回しではなくギリシャ神話起源の一種の「教養語」。





ギリシャ神話の主神ゼウス(Zeus)は, 孫にあたるミュルミドン人ペレウス(Peleus)と海の女神テティス(Thetis)を夫婦することを決め, その結婚式に神々を招待したのですが, 不和の女神エリス(Eris)だけは除外しました。  これを根に持ったエリスは身を隠して結婚式場に行き Καλλιστη(Kallisti) 「一番麗しい女性へ」という文字が刻んである黄金のリンゴを密かに置きました。 このリンゴを巡ってゼウスの姉であり妻であるヘラ(Hera),  知恵の女神のアテナ(Athena), 愛と美の女神アフロディテ(Aphrodite)が争ったというのが apple of discord の起源。


ゼウスはこの争いに決着をつけるためトロイ王子であり,  将来トロイを滅ぼすという予言のために羊飼いの身になっていた, パリス(Paris) を審判に選びます。 すると, くだんの女神たちはパリスへ賄賂を贈るという戦術に変え, ヘラは権力を, アテナは富を, アフロディテは美しい女性をパリス与えると約束します。 


そしてパリスが選んだのは(想像がつくように)アフロディテ。 彼女はスパルタ王メネラオス(Menelaus)の妻ヘレネ(Helen)をパリスに与える女性としていました。 そこで母親や預言者の反対を押し切ってパリスは彼女を誘拐するためにスパルタに向かいます。 


パリスの策略を知らないメネラオスはパリスを賓客として礼遇しますが, パリスはヘレネやメネラオスの財産までも奪ってトロイへ逃げ, ここでヘレネと結婚します。  怒ったメネラオスは兄のアガメムノン(Agamemnon)アガメムノンらとともにトロイに大軍を率いて攻めます(ギリシャ軍の兵士が中に潜んでトロイ襲撃をしたトロイの木馬の話は有名)。 これがトロイ戦争です。





ヨーロッパ文化の遺産であるギリシャ神話から生まれた「不和のリンゴ」は, 当然, 英語以外の諸言語にも見られます。
フランス語 pomme de discorde
イタリア語 pomo della discordia
スペイン語 manzana de la discordia
ドイツ語 Zankapfel
オランダ語 twistappel
デンマーク語 stridens æble
ロシア語 яблоко раздора