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アトランダムに単語を選択, 時に学校英語・受験英語的に, 時にトリビアにアプローチ。 しかも気が向いたときだけ更新して行く--だから気まぐれ英単語。 
でも単語暗記の手助けになると思います。 兄弟版ひとことENGLISHへと同様,ご活用ください。
(中)は中学生レベルの語, (高)は高校生レベルの語, (般)はその他の語を表します。

                
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091 (般) (05月27日) honeymoon 「ハネムーン」


ハネムーン(蜜月:新婚夫婦がとる休日)は古代ゲルマン民族が結婚後30日間ハチミツで作った酒(英語 mead  フランス語 hydrome)を飲む習慣があったことに由来します。 この moon は空の月ではなく陰暦の月の意味で, 「ハチミツ酒」と「(陰暦の)月」の合成語 honeymoon が生まれたというわけです。
4世紀のヨーロッパ中部・東部を占めていたフン族のアッチラ大王は, 最後の妻となるイルディコとの結婚式の翌日, ハチミツ酒を飲みすぎて鼻血を出し, それが止まらずに窒息死したという説もあります。


honeymoon の語源についてOxford English Dictionary は「この語は1ヶ月という月とは関係なく,新婚夫婦のお互いの愛情が変わり行くのを月にたとえた」としました。  新婚夫婦も月が欠ける(wane)ように愛情もそのうちなくなって行くものだという冷めた見方が honeymoon にはあるというのです。


比喩的な意味で政治家, 企業家などが仲良くやっている時期を「蜜月時代, 蜜月期間(the honeymoon period)と言いますが, これは多く「蜜月期間が終わる」 The honeymoon (period) is over. という常套句で使われます。 これは前述のOEDの定義をそのまま反映している発想と言えます。





ゲルマン起源の風習から生まれた言葉なのに, 英語以外のゲルマン諸語はハネムーンにあたる語は別の表現を使っています。
■ ドイツ語 Flitterwochen   Flitter 「金ぴか,虚飾の」+ Wochen 「数週間」
キラキラ輝いて見える夫婦も数週間たてばメッキが剥がれるという発想なのでしょうか。 これは前述の honeymoon の発想と似たものがあります。 
なおドイツ語も honeymoon と同じ Honigmond もありますが頻度は Flitterwochen の方が多いようです。
■ オランダ語 wittebroodsweken  wittebrood 「白パン」 + weken 「数週間」
■ デンマーク語 hvedebrødsdage  hvedebrød 「白パン」 + dage 「数日間」
甘い生活が数週間か数日間の違いはありますが, 両国語は「白パン」を使っている共通点があります。 オランダでは白パンはクリスマスの時に食べる kerststol  というお菓子の材料になるようにハレの席のパンだったのでしょう。 またデンマークはデンマーク風サンドウイッチ smørrebrød の材料としてライ麦パンと並んで白パンは重要な食品です。 ちなみにニシンは白パン, スモークトサーモンはライ麦パンの上に乗せるというように具の種類でパンを変えるようです。
■ スウェーデン語 smekmånad
「優しくする, 愛撫する」という意味の動詞 smeka と「月」の månad から来たのではないかと思います。 
■ フランス語 lune de miel
■ イタリア語 luna di miele
■ スペイン語 luna de miel
■ ポルトガル語 luna-de-mel
■ ルーマニア語 luna de miere
ロマンス諸語はすべて「蜜の月」で英語とまったく同じです。 ただし英語をロマンス諸語が訳したのか, ロマンス語のどれかを英語に訳したのか, それとも英語とロマンス諸語が同じなのは偶然の一致なのかわかりません。 
■ ロシア語 medovyj mesjats*
■ ポーランド語 miodowy mieciac*
■ セルボクロアチア語 medeni mesec*
■ ブルガリア語 meden mesets*
これらスラブ諸語も英語やロマンス諸語と同じ「蜜の月」です。
しかしスラブ諸語でも■ チェコ語は libánky という言葉を使っています。 チェコ語の語源辞典がないのでその語源はわかりませんが, libat 「キス,唇」 libezny 「甘い」 libit se 「楽しむ」といった語と関連があるのかもしれません。
■ ハンガリー語 nászút  nász 「結婚」 út 「旅,道」 
honeymoon に「新婚夫婦がとる二人だけの休日」以外に「新婚旅行」の意味があります。上記の英語以外の言語は「新婚旅行」には別の単語を使わなくてはいけないのに対し ハンガリー語のハネムーンにあたる語は英語と同じく両方の意味を兼ねることができます。 正確に言うと「新婚旅行」という単語しかなく, これに「ハネムーン」の意味を含めているようです。
■ フィンランド語 kuherruskuukausi kuherrus「男女が優しくささやくこと」+ kuukausi「月」
フィンランド語は印欧語ではなくその語は独自のものがありますが, 時にとなりのスウエーデン語やロシア語の影響を受けた語もあります。 これもスウエーデン語の「愛撫する月」の発想から来たのではないかと思います。


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