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ぶらりボキャブラ散歩
ほぼ日替わり 気まぐれ英単語 


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アトランダムに単語を選択, 時に学校英語・受験英語的に, 時にトリビアにアプローチ。 しかも気が向いたときだけ更新して行く--だから気まぐれ英単語。 
でも単語暗記の手助けになると思います。 兄弟版ひとことENGLISHへと同様,ご活用ください。
(中)は中学生レベルの語, (高)は高校生レベルの語, (般)はその他の語を表します。

                
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082 (中) (05月15日) forty 「40」 ninth 「9番目の」


特定の数字を忌み嫌う文化があります。 13を不吉な数字とするキリスト教文化, それに4などを不吉とする漢字文化圏です。


前者は言うまでもなくキリストの最後の晩餐の出席者の数から来ています。 しかしキリスト教が伝わる以前の北欧の神話ではバルハラ神殿で開かれた12人の神が招待された酒宴に, 邪悪な神ロキが門を壊して押し入りバルドルを殺したため, 宴会の席が13人になるのを不吉とする迷信がすでにあったと言われています。


イタリアではサッカーのトトカルチョの勝ち点が13なので, 13は必ずしも悪い数字とは見なされていないようです。 しかしカトリックの総本山バチカンを囲んでいる国ですからやはり13は忌み嫌われていることには変りありません。 悪い数字はギャンプルの世界ではラッキーナンバーであるという迷信と結びつき意図的に13を幸運な数字にしているのではないかと思われます。


またイタリアでは17が不吉な数と信じている人もいるようです。
これは17をローマ数字で表すと XVII  となり, これを並べ替えた VIXI(vixi)がラテン語の「私は生きた」という過去のことを意味し(現代のイタリア語なら直説法遠過去第1人称単数形 vissi ), すでにこの世にいないことを示唆するので不吉だと言うのです。


シーザ(カエサル)が小アジアのポントゥスの遠征に行って勝利を得たとき元老院に「私は来て,見て,勝った」という有名な言葉を使って報告したとされますが, これはラテン語の Veni vidi vici の訳です。 これからも vixi というラテン語の意味はわかると思います。 私は google で vixi と検索するといきなり出てくる日本のサイトの文章を読んで「ええ?!」と思ってしまいました。 少なくともこの会社はイタリアには店を出さないほうが良さそうです。






韓国を含めて漢字文化圏では4は「死」と同じ音なので不吉な数字です。
日本の場合, さらに9が「苦」を連想するので嫌われていますが, 中国や韓国では音が違うのでこれはないようです。
広東語では24 が「易死(死にやすい)」と同じ音なので不吉な数字で, 28が「易發(発展しやすい)」というので幸運な数字と言われています。 (8は日本では「八」の字を末広がりと見て幸運な数字としていますが中国では音が発展するの「発」と同じなので幸運な数字のようです。)
また日本では4219は「死に行く」を連想し忌まれていますが,中国では9413が「九死一生」と似た音なので嫌われています。





数にまつわる迷信を信じる信じないは別として, 英語を学習する者が必ず覚えなければならない不吉な数字があります。 それは 40 と 9 。 (偶然そこには日本人の嫌いな 4と9があります。)


「40は fourty ではなく forty 。 9番目は nineth ではなく ninth 。」


私は今までに何度この呪文を唱えてきたことか。 それでも fourty とか nineth と書いてしまう生徒は後を絶ちません。 うまくこの呪いが解けても forteen,  forth  とか ninteen, ninty としてしまうこともよくあります。 
なぜ fourty や nineth としなかったのかという恨みの言葉が聞こえます。


チョーサー(1340?-1400) の「カンタベリー物語」という中世の英語が参照できる代表的な作品の中には  we owen fourty pound for stones という一文もあり, かつては fourty と綴っていたことが分かります。 これが forty と変わったのは発音に忠実に綴ろうとした結果だと言われています。 four の方も発音通りに for としたかったが, これでは前置詞の for と同じになって都合が悪いというのでこちらは four のままにした, というのがウィリアム・モリスという英語語源学者の主張です。


じゃあ fourteen の方は? というとそれは触れていない。
それで私は自分でフォローして fourteen は four-teen という二つの要素からできているということからこちらも forteen にしなかったーという結論を邪推しました。


ninth の方は私の調べが足りなく, 真相を教えてくれる文献が今のところありません。
それで以下は私個人の考察なので戯言と思って軽く読み流してください。


ninth は「カンタベリー物語」に That in the ninthe speere considered is という文があることからもわかる通り, 中世で e がありませんでした。 
というより古英語の nine は nigon でもともと e がなく ninth も nigonthe とか nigotha のように綴られ e がありませんでした。  


nine というように e がついたのは15世紀以降の「大母音推移」と呼ばれる長母音の変化と関係があるでしょう。 つまり -i- を[i:]と発音していたのが [ai]と発音するようになり, それを示すために語尾に黙字の e を添えたのであり, e がない方が古い英語の綴りを継承している「正統的な」綴りであったと言えるのではないでしょうか。 


fifth と five の関係も, 古英語の five は fif と綴られ[フィーフ]と発音されていたことから見て, fifth が「正統的な」綴りで five が新しい綴りであると見ることができます。 
こう考えると five: fifth の関係が  [ファイブ]: [フィフス] であるように nine : ninth の関係が[ナイン]:[ニンス]であればよかったのに, ninth を[ナインス]と発音することにしまったのがややこしいことが起きた元凶なのではと思うのです。
少なくとも「ninth は nine の e を取って th を付ける」というのは本当は間違った見方であるという気がします。


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