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ぶらりボキャブラ散歩
ほぼ日替わり 気まぐれ英単語 


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アトランダムに単語を選択, 時に語源や他言語との比較などを通してトリビアに, 時に学校英語・受験英語的にアプローチ。 しかも気が向いたときだけ更新して行く--だから気まぐれ英単語。 
言葉を通して文化を知るおもしろさ・奥深さを楽しんでもらえたらと思います。 兄弟版ひとことENGLISHへと同様,日々の勉強の「箸休め」としてご活用ください。
(中)は中学生レベルの語, (高)は高校生レベルの語, (般)はその他の語を表します。

                
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074 (般) (05月08日) ukulele 「ウクレレ」 


古くからあるハワイ固有の物かと思っていたものが案外, 外来の物であったりするようです。例えばパイナップルは1813年にスペインよりもたらされ, お土産で有名なアカダミア・ナッツは1892年になって初めて栽培されたそうです。


言わずと知れたハワイの民族楽器ウクレレ(英語風に発音すると[ユークレイリ])。 これも古くからハワイにあった楽器ではなく外来のもので, これを初めてハワイの人々が目にしたのは1879年8月23日―アフリカ大陸の北西沖にあるポルトガル領のマデイラ諸島から, 子供178人を含む男女421名のポルトガル人を乗せた英国籍の移民輸送船レーベンスクラグ号がホノルルに到着した日のことでした。
マデイラ諸島のイメージ検索はこちら。 アゾレス諸島のイメージ検索はこちら







ハワイとポルトガルの関係は古く,初めてハワイに到達したヨーロッパ人は1778年のイギリスのクック船長ではなく1555年の Juan Gatano(Caetano) というポルトガル人であるという説があります。 少なくとも捕鯨が盛んであった1820年代には多くのポルトガル人(主にマデイラ島やアゾレス諸島出身)がハワイに移民し捕鯨の仕事もしくは捕鯨船相手の仕事をしていました。


そして19世紀の後半になると11,937名にのぼるボルトガル人がサトウキビ栽培の入植者や富豪家の召使などの要員としてハワイに移民しました。
その移民活動の中心人物になったのがドイツ人の植物学者ヴィリアム・ヒルブラントという人物です。 1871年ハワイからマデイラ島に移り住んだヒルブラントはハワイ政府から移民確保の委託を受け, マデイラ島とアゾレス諸島の住民から移民希望者を募しました。 その結果集まった第1陣は36名の子供を含む120名。 彼らはドイツの小型帆船プリシラ号に乗船し,マデイラの首都フンシャルから116日の航海を経た1878年9月30日にホノルルに到着しました。 





レーベンスクラグ号はマデイラ・アゾレスからハワイに移住するポルトガル人を乗せた第2陣で, 第1陣の4倍近くの移民を123日かけて運びました。 パナマ運河のなかった時代なので大西洋を南下して南米大陸の南端マゼラン海峡を通り太平洋を北上する長旅です。 その旅の果てに着いたレーベンスクラグ号から降り立つと, 迎えたハワイの人々の前でブラギーニャ(braguinha イメージ検索)というマデイラの民族楽器を弾き民謡を歌った者がいました。 ジョアオ・フェルナンデス(João Fernandes), 24歳のミュージシャンです。
ウエッブ上にこのレーベンスクラグ号の乗船した者の名前と年齢のリストがあります。 これによると(297番にあります)既婚者で奥さんは20歳のカロリナ。 生後18ヶ月の娘アマリアもいっしょのようです。 


ジョアオ・フェルナンデスが弾いたブラギーニャこそ後にウクレレとハワイの人々に呼ばれるようになる楽器なのです。 その楽器に魅せられた人々の注文でブラギーニャを作ったのがレーベンスクラグ号に乗ってやって来た職人のマニュエル・ヌネス(Manuel Nunes)でした。 
上記のリストによると(358番)既婚で妻はイザベル・アウグスタ 17歳。  12歳と5歳と2歳の息子と11歳の娘の6人家族。 妻の年齢と子供の年齢からみて再婚者のようです。


ブラギーニャは紀元前2世紀に現在のポルトガルにいたルシタニア人によって作られた古い楽器で, 彼らのいた土地 Braga に「小さい」を表す接尾辞 -inha を付けてこの名前が生まれました。


アマゾン・コムに Braguinha というタイトルのCDがあります。 ここでは試聴できますので興味のある方はここをクリックしてみてください。 ただし音は悪く肝心のブラギーニャの音はよく聞こえず曲も魅力ありません。


またアマゾン・コムの書籍のコーナには Ukulele : A Visual History という本もあり中の数ページを覗くことができます。 中にはA Poor Prophecy (当らない予言)というおもしろいコラムもあるので読んでみてください。  (もし購入する場合は日本のアマゾンの方が郵送料がタダになるのでこちらへどうぞ。 ) 
(注)アマゾンで品物を買っても私にはマージンは入りません。 念のため。





上の Ukulele: A Visual History にも書いてありますが, ukulele の語源は諸説あるようです。 


一つはエドワード・プルヴィス(Edward Purvis)というイギリスの軍人でカラカウア・ハワイ王から副侍従に指名された男のあだ名に由来するという説。 音楽の素養があったブルヴィスはしばしばブラギーニャを弾いて王家を楽しませたことがあり, 小柄で快活だったのでついたあだ名 ukulele 「飛び跳ねるノミ」がブラギーニャに取って代わったというもの。


別の説は, ウクレレを弾くときの指の動きからukulele 「飛び跳ねるノミ」になったという説。


また別の説は「踊るウケケ(ハワイの弦楽器)」という意味の ukekelele がなまって ukulele になったという説。


そしてもう一つは「贈り物として(uku)ここに来た(lele)」という意味のハワイの言葉が語源だという説。


どの説が正解なのかわかりませんが, ukulele という言葉自体は aloha や lei と並ぶ,各国語にそのまま採り入れられたハワイ語の一つとなっています。


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