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058 (般) Dutch 「オランダの」「オランダ語・人」 無関心でいたいけれど気になる存在―それが隣国・隣人というもの。 好きだ嫌いだと言えるのも関心があるからこその話。 問題はどちらが下手に出るかということで, ひとたびどちらかのプライドが傷つくと突拍子もないことが起こるもの。 イギリスとオランダの関係は, どこか極東の某国同士の関係に似ていて興味深いです。 陰で相手を誹謗する言葉を発しながら, 暮らしの中にその文化が入り込んでいる―切りたくても切れない関係がそこにあります。 ここでは Dutch を使った英語の偏見に満ちた表現をまとめておきましょう。 なお私個人はオランダ語を勉強するほどのオランダ好きであることを記しておきます。 Dutch act 自殺 Dutch auction 値段を下げるオークション Dutch bargain アルコール類を値切ること Dutch comfort 冷遇 Dutch concert 酔っ払いの騒ぎ Dutch courage アルコールによる空元気 Dutch crossing 斜めに道路を横切ること Dutch defence 見せかけの防御 Dutch generosity ケチ Dutch headache 二日酔い Dutch gold イミテーションの金(きん) Dutch roll ダッチロール Dutch treat 割り勘 (動詞 go Dutch 割り勘にする) Dutch widow 娼婦 Ducth wife ダッチワイフ double Dutch 訳のわからない言葉 さて Dutch そのものについての考察もしておきます。 ポルトガル語経由で日本語になったオランダや英語の Holland は,オランダの地方(州)の名前で正式な名称はオランダ語では Nederlands, 英語では the Netherlands 。 「低い土地」という意味です。 私はよくアメリカの Amazon の「外国語の学習参考書売り場」に行ってブラウスするのですが, いつも不思議なのは Danish (デンマーク語)のコーナに Dutch (オランダ語)の学習参考書・辞書があること。スウエーデン語やノルウエー語があるならまだしもなぜデンマーク語とオランダ語の組み合わせなのだろう? オランダ人はデンマーク語というカテゴリーの中に自国語があるのを見て Amazon に抗議しないのだろうか? 同じ頭文字 D だから Dutch と Danish が混同しているのか? それはないでしょう。 が, オランダが他の国と混同されていたということがあるのは事実です。 Dutch という言葉は, ドイツ語の「ドイツ語」を意味する Deutsch とよく似ていることからわかるように, イギリス人の「ドイツ」という概念がヨーロッパ大陸の北部の, スカンジナビア半島とユトランド半島以外のゲルマン民族の支配している地域(つまりドイツとオランダ)を漠然と指していたことがあるのです。 実は, ややこしいことにオランダ語の「ドイツ語」は Duits と言い, 日本語の「ドイツ」はここから来ました。
北海沿いの低地ゲルマン民族は自らを Duit(ch)ers その言語を Duits(ch) , 大陸内陸部の高地ゲルマン民族は自らを Deutsche その言語を Deutsch と呼んでいました。 それで英語ではこれらの地域の民族や言語を Dutch としたのです。 1581年に北海沿いの低地(ネーデルラント)の北部の7州と南部の一部が団結してスペインから独立するとイギリス人は, 北部7州の中心ホランド州(Holland) とこの新興国を呼びました。 独立したオランダは急速に海洋国家として頭角を顕わし, イギリスのライバルになると, 本来高地ドイツ語を含んだゲルマン民族の言葉と民族の意味だった Dutch をオランダに限定するようになり, 変って高地ドイツ民族とその言葉を German と呼ぶようになって行ったのです。 |
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