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アトランダムに単語を選択, 語源や他の外国語との比較を中心に, 時にトリビアに, 時に学校英語・受験英語的に, 時に連想暗記術風にアプローチ。 しかも気が向いたときだけ更新して行く--だから気まぐれ英単語。 
兄弟版ひとことENGLISHへと同様, 日々の勉強の息抜きにご活用ください。
(中)は中学生レベルの語, (高)は高校生レベルの語, (般)はその他の語を表します。

                
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044 (般)  doughnut 「ドーナッツ」  


ドーナッツの起源はオランダの揚げ菓子 oliebol [オリーボル]にあるというのはどうやら定説のようです。 
Oliebol は直訳すると「油玉」。 レーズンやリンゴなどをフルーツが入ったパン生地をボール状にして油で揚げた菓子で[イメージ検索], アメリカのオランダ系家庭では正月に食べるお菓子として欠かせないものになっているようです。 
多くの英語のサイトでは oliebol は olykoek となっています。 オランダ語では y は外来語でしか使われません。 ただし ij の綴りを y にすることがあるのでこれは正しいオランダ語にすると olijkoek とでもつづることになります。 しかしオランダ語にはこのような綴りの語はありません。 oliekoek なら oliebol と同意語になります。 たぶん Oliekoek が間違ってアメリカで広がったのだと思います。


ドーナッツと言えばリング状のものが典型的です。 なぜドーナッツに穴があるのかに関してこんな伝説があります。
*ドーナッツと同じようなリング状の菓子としてはイタリアの チャンベッラ ciambella の方が伝統があります。


1847年ころのある日, ニュー・イングランドの船長だったメイソン・クロケット・グレゴリー(またはハンセン・グレゴリーまたはハンソン・グレゴリー)は母親のエリザベスの作った oliebol を持って海に出ました。 彼は船の舵取りをしているときにある考えが浮かびました。  Oliebol に穴をあけて舵の イメージ検索 の取っ手に指し込めば舵取りをしながら oliebol が食べられると思ったのです。 これがリング状のドーナッツの誕生秘話のようなのですが, ちょっと考えればこれは変だということに気がつきます。 

まず第一に oliebol のイメージを見てわかる通り, このボール状のお菓子に穴をあければボロボロになってしまうのは明白です。  そして二番目に, 仮にリング状にして舵の取っ手にかけても舵を回すうちに落ちてしまいます。 そして三番目に, 仮に舵の取っ手に収めることができても, 一口食べればリングはなくなり, 二度と取っ手に掛けることはできなくなってしまいます。 これではわざわざ oliebol に穴をあける理由がありません。


ドーナッツに穴があいたのは, 芯まで火が通るようにするのを容易にするためだったにちがいありません。  そう思いついた人のひとり,  ジョン・ブロンデルは1872年, ドーナッツのリングの型を特許に出しました。  これで彼はどの程度儲かったかわかりませんが, ともかく, ドーナッツと言えばリング状という常識はこの頃から生まれ, 戦後になってダンキン・ドーナッツなどドーナッツのチェーン店がアメリカ中に出現し, リング状のドーナッツはアメリカ人の生活にに欠かせない菓子になったのです。  (アメリカが肥満大国になった原因の一つであるのは言うまでもありません。)


ところで doughtnut の語源に関しては dough は「パン生地」であるのはいいとして, nut が何であるか誰も答えを出すことができません。 上記の oliebol にナッツを入れたからという考えがありますが, oliebol はフルーツは入れてもナッツはふつう入れません。 まだこれよりも oliebol を「結び目(knot)」のような形にして作ったからという説の方が説得力があります。 Oliebol は2つのスプーンで生地をすくい, 油に流しこんで作るのですが, このときに生地を knot のようにすることは十分に考えられます。


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