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ぶらりボキャブラ散歩
ほぼ日替わり 気まぐれ英単語 


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アトランダムに単語を選択, 時に学校英語・受験英語的に, 時にトリビアにアプローチ。 しかも気が向いたときだけ更新して行く--だから気まぐれ英単語。 
でも単語暗記の手助けになると思います。 兄弟版ひとことENGLISHへと同様,ご活用ください。
(中)は中学生レベルの語, (高)は高校生レベルの語, (般)はその他の語を表します。

                
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025 (中) Good-bye.; Farewell.  「さようなら,ごきげんよう」 


ヨーロッパの諸言語で「さよなら」をどう言うのか調べると, その原義は
  • (1)神のご加護がありますように。
  • (2)また逢う日まで。
  • (3)よい1日を。
  • (4)道中ご無事で。
  • (5)その他
のように分類できそうです。 そして英語はこのうち4つのタイプの「さようなら」を持っています。


英語の Good-bye は(1)のタイプで, 元は God be with ye. 「神が汝(ye)とともにおられますように」でした。 God が Good morning. や Good afternoon. の影響で Good になり be with ye が bye になったのです。 したがって語源からするとアメリカ式の Good-by は崩れすぎと言えます。 bye を by  にすると「通りすぎて」の意味の副詞 by を連想し,「うまい具合に通りすぎて行ってください」--> 「無事に去ってください」といった意味合いから「さようなら」と言うのかな, と思ってしまいますね。 


他の(1)のタイプはフランス語の Adieu. イタリア語の Addio. スペイン語の Adios.  ポルトガル語の Adeus.  ルーマニア語の Adio. スウエーデン語の Adjö , ルクセンブルグ語 Äddi.  チェコ語の Sbohem. セルビア語・クロアチア語の Zbogom. などです。
チェコ語, セルビア語・クロアチア語以外は a- で始まりますが, これは方向を表す前置詞 to にあたり チェコ語の s, セルビア語・クロアチア語の z は前置詞 with にあたります。 
イタリア語の場合を例にすると Addio. は Vi raccomando a Dio 「私はあなたを神に委ねる」が原義。 この最後の a Dio が Addio に変化したものです。
フランス語やイタリア語などはこのタイプのさようならは永遠の別れを意味するので普通は使わないと聞いたことがあります。 「神にあなたを委ねる」という原義が「あの世にあなたが行く」ことを連想するからでしょう。


アイスランド語の Bless.  は上とはだいぶ形は違いますが英語の Bless you! の意味「神のご加護があらんことを」から考えてこのタイプに属すでしょう。 英語でも Bless you. は別れの挨拶で使われます。 他に Bless you くしゃみをした人に「おだいじに」, さらに感謝,驚き,怒り,拒絶となんでもあれの間投詞的表現です。


(2)は英語なら See you. や See you again. See you later. にあたります。 フランス語 なら Au revoir.  イタリア語なら Arrivdederci. スペイン語なら Hasta la vistaルーマニア語なら La redevere.  
他にドイツ語の Auf Wiedersehen.  オランダ語の Tot ziens.  ロシア語の Do zvidánia(フォントがないので正書法ではありません。).  ポーランド語の Do widzenia. ラトヴィア語 Uz redzesanos(フォントがないので正書法ではありません。) リトアニア語 Viso gero.


(3)は英語なら Have a nice day.  オランダ語の  dag. dáág
ギリシャ語 Kherete. は「お楽しみください」。 これも Have a nice day. と言いかえられそうです。 またノルウェイ語の Ha det. は直訳すると「それを持て」。 「それ」が指すのは漠然と「楽しいとき」のようなものならこちらも(3)に入っても良さそうです。


(4)はデンマーク語やノルウエイ語の Farvel. で英語なら Farewell にあたります。 
英語の場合, もとは Faren well. で現代英語に直訳すると Travel well.
Faren は「旅をする」で現代英語に fare「運賃,交通費」や wayfarer 「徒歩の旅人」 sea-faring man「船乗り」でその面影が残っています。 ただし, farewell も wayfarer も sea-faring も格式語・古語・雅語の類です。 
なお古英語の faren は現代ドイツ語の fahren 「車で行く」やオランダ語の varen 「旅をする」と同根です。


(5)の代表はイタリア語の Ciao.   これは「こんにちわ」も兼ねる挨拶言葉で, もとは奴隷(schiavo=slave)を意味するベネチア方言で「私はあなたの奴隷です」という原義から生まれたというのはイタリア語を勉強すると必ず出くわすウンチクです。  
スウエーデン語の Hej då. の場合も Hej が Hello. であることから「こんにちわ」を兼ねているタイプと言えるでしょう。 ただ då 「それでは」があるので「それじゃまた」という感じになるのかもしれません。 


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