eigo21トップページ    デンマーク語はどうですか?トップページ   e-mail



 デンマーク語はどうですか?
Hvad med DANSK?
〜趣味のデンマーク語のススメ〜



デンマーク語を勧める理由
1 英語と似ている 
2 文法は易しく語彙は多くない 
3 アンデルセン物語を原文で読める
4 ノルウエー語(ボクモール)も読むことができるようになる。


デンマーク語の文法概略へ


英語に続き, 外国語を勉強する ― となると, フランス語, ドイツ語, スペイン語, 中国語, 韓国語, イタリア語といった, NHKの語学講座でおなじみの(もしくは大学の第2外国語でおなじみの)言語であるのがふつうです。 これらの言語は教材も揃っているし, 教師も教室も捜すのにさほど苦労はいりません。 しかも検定試験や国家試験の通訳案内業の試験を受けるという目標も設定できますし, 需要があると言うことは供給もあるということですからこれらの知識が仕事になるということも期待できます。


そんなメジャーな言語に比べ, デンマーク語は使用者数530万人あまりのマイナーな言語です。 検定試験もなければ, その知識があるからと言って就職活動に有利と言うわけでもない。
しかしこの言語を無視するのはもったいない話です。 


というのは, まず第1に, デンマーク語は他のどの言語より英語に似ているので, 英語の知識や勉強法を利用することができるからです。  


英語とデンマーク語が似ていることについてディケンズ宅を訪問したアンデルセンのエピソードをお読みください。 弊コンテンツ別ページ


アンデルセンの「エンドウマメの上で寝たお姫様」の原文と英語訳を並べたコンテンツもあります。


と書くと語学通の人から英語に最も似ている言語はフリジア語じゃないの? それに英語は西ゲルマン語でデンマーク語は北ゲルマン語だし― と反論があるかもしれません。
確かに語学書にはオランダ北部のフリージア諸島などで話されているフリジア語が英語に一番近い言語と書かれていることがありますが, それは古い英語の場合のことで, 現代の英語とフリジア語は似ていません。 現物のフリジア語はネット上に浮かんでいますから, 見てみるとわかります。 たとえばOmrop Fryslan (フリージア放送)。 ここならフリジア語の文章を「見る」だけでなく,ラジオ放送・テレビ放送もダウンロードできます。  トップページ中央部の Real Player や Media Player のアイコンのあるボタンをクリックしてください。



上にも書いたように, 英語はオランダ語とドイツ語とともに西ゲルマン語に属し, デンマーク語はスウエーデン語やノルウエー語などとともに北ゲルマン語(ノルド語)に属します。 英語はオランダ語やドイツ語と兄弟関係にあり, デンマーク語は従兄弟との関係にあると言えるかもしれません。 しかし, 兄弟であるオランダ語やドイツ語より, 従兄弟のデンマーク語の方が見た目が似ています。 
例えば「その美しい歌を聞いたら私は古き良き時代に戻ったと彼は言った」を英語,デンマーク語,オランダ語で表すと:
英語: 
He said that the beautiful song had brought him back to the good old days.
デンマーク語:
Han sagde, at den smukke sang havde bragt ham tilbage til de gode gamle dage.
オランダ語:
Hij heeft gezegt dat de mooie zang hem naar die goeie oude tijd had teruggebracht.


この短い文だけでも, 西ゲルマン語のオランダ語より北ゲルマン語のデンマーク語の方が英語に似ていることがわかります。  従属節内の語順, 分離動詞の存在, 現在完了が過去を表すなどオランダ語には英語にない特徴が見えます。 一方, 英語とデンマーク語の違いは単純に単語が違うだけの話です。
もちろんノルド語であるデンマーク語と英語には大きな違いがあります。 例えばデンマーク語の定冠詞は名詞の後置して1語にして表す(正確には名詞の定形)とか, 中間態と呼ばれる受動態の存在です。 しかしそれらを割り引いても, やはりデンマーク語の方がオランダ語やドイツ語より英語にはるかに似ています。


                      



デンマーク語を勧める第2の理由は, 文法が易しく語彙が少ないということです。  活用変化の少ない言語であり, 文法事項はほとんど英語と同じなので, いきなり長文を読みながら文法の勉強をして行くことも可能です。 またノルマン・フレンチから多くの借用語を入れたため, 語彙が増えてしまった英語と違い, むやみに外来語を受け入れなかったためデンマーク語は比較的語彙は少な目です。
例: 
言語\単語 豚肉 示す 指で示す 実演して示す 知る 科学
英語 meat pig pork show indicate demonstrate know science
デンマーク語 kød svine svinekød vise vise vise vide (natur)videnskab



しかし単純な文法と少な目の語彙のため, デンマーク語は前置詞や副詞のような機能語への負担が大きくなり, また熟語や多義語, 同綴異語が多くなったのが学習者には辛いところです。 が, これを研究対象にするのが, デンマーク語学習のおもしろいところかもしれません。


                      


デンマーク語を勧める第3の理由。 それはアンデルセン物語を原文で読むことができること。
だれもが『マッチ売りの少女』や『みにくいあひるの子』の話は知っているはずです。 しかしおおまかなストーリは知っていても, きちんと文章として読んだことは案外ないものです。 原文で読むとまた新しい発見があるかもしれません。 例えば『マッチ売りの少女』がマッチを擦って見たものはクリスマスのごちそう。 だから少女が凍死してしまったのもクリスマスだろうと思ってしまうのは当然でしょう。 しかし, 原文では少女がマッチを売っていたのは nytårsaften  「大晦日の夜」になっています。 
インターネット上にはアンデルセン物語の原文や英語訳が無料でダウンロードできるサイトもありますから, 独学の教材にも事欠きません。


                      


さらにデンマーク語学習の副産物としてノルウエー語(ボクモール)も読むことができるなるのも魅力です。 
ノルウエー語は2つの種類があり, その2つが公用語になっている珍しい言語です。 一つはデンマーク語の影響を強く受けている「ボクモール(Bokmål)」。 もう一つは方言から作られた非デンマーク語的な「ニュノルスク[ニュノシュク](Nynorsk)」です。 


しかし現実は2つの公用語の習得が学校での必須になっているにも関わらず90%の人々がデンマーク語に近い「ボクモール」を使い, 10%程度が「ニュノルスク[ニュノシュク]」を使っているようです。 テレビ,ラジオ,新聞などのマスメディアも2つの公用語を使うことになっていながら実際は「ボクモール」で用をすましているとか。 たしかにインターネットのノルウエー語のサイトを見てみると, デンマーク語かと身間違えるほど「ボクモール」で書かれている文章ばかりです。  (機能語の一つ at がノルウエー語では å となっていることでデンマーク語との区別はつきます。)
ただし2つの言語の発音はかなり異なり, デンマーク人とノルウエー人の間でさえお互いに言っていることがわからないこともしばしばあるようです。


なおイプセンの『人形の家(Et dukkehjem)』はボクモールで書かれていてデンマーク語の知識で何とか読めそうです。 (原文はこちら


                      


ではここで具体的にデンマーク語がどういう言語なのか日本に旅行したデンマーク人の文章から, 執筆者の承諾を得て引用してみます。  次のページで, デンマーク語の文法の概要を扱います。


eigo21トップページ    デンマーク語はどうですか?トップページ